アルコール依存症の父を見捨てて別々の人生を送りたい!方法は?

ここ数年、アルコール度数の高い缶チューハイなどが多くなり、またその値段も安いことから、てっとり早く酔えるこれらのお酒が好まれ、「アルコール依存症」に陥る人が多くなっていると言われています。

ましてや、このコロナ禍、“仕事が減った”あるいは“失職した”とか、“慣れないリモートワークでストレスを感じる”などに加え、これまでのように気晴らしすらできない生活が続き、酒量が増えて「アルコール依存症」で実際に受診する人が増えているそうです。

お酒を飲んで暴れるようになった.....

飲みだすと朝までやめられない...

こんな極端な例でなくても、あなたの父親がお酒を飲むことで困った行動をくり返すのであれば、それは、ただ「酒癖が悪い」だけではなく、「アルコール依存症」かもしれません。

「アルコール依存症」は病気です。

「アルコール依存症」の患者は、一緒に暮らしている家族を巻き込み、家族の心身の健康までも脅かします。

実際に、じわじわと追いつめられて「父親を見捨てたい」と考えている人もいるかもしれません。

あなたがもし、父親の「お酒が原因の困った行動」や、それに伴う「貧困」で苦しんでいるのなら、どうか出来るだけ早く医療機関や専門家、自助グループなどに相談してください。

家族だけでなんとかしようとしても、うまくいかないことがほとんどですが、医療機関や専門家、自助グループに支援を求めることで、解決の糸口が見つかる可能性はあります。

見捨ててしまうのは、それからでも遅くはありません。

父親がアルコール依存症で辛い!

アルコール依存症とは?

アルコール依存症とは、一言でいえば「飲酒のコントロールがきかない」状態をいいます。

  • 飲んではいけないときに飲んでしまう
  • 今日は1本と決めたのに酔いつぶれるまで飲んでしまう
  • 飲みすぎのせいで病気になってもやめられない

このように、「やめようと思ってもやめられない」のが依存症です。

アルコールは依存性をもつ薬物なので、習慣的に摂取していれば誰でも依存症になる可能性があるのです。

アルコール依存症になるとどんな状況?

アルコール依存の状態になると、量や時間、状況などを考慮せずに飲酒するようになります。

そのため、朝から飲酒する、仕事中も飲酒するなど、普通の生活が困難な状況に陥ります。また、家族に対する暴力や暴言が現れる場合もあります。

アルコール依存症の親はどんな生活?なぜ家族は苦しく辛い?

普通の生活が困難になれば、当然仕事にも影響が出ます。職場でミスをする、仕事を休みがちになる、人間関係のトラブルが起こる.....

この段階で治療や改善をはじめなければ、職を失う可能性が高まります。

父親が職を失えば、家計は破綻します。

また、飲酒運転などさまざまな問題を引き起こす可能性もあり、生活環境はさらに悪化するケースが少なくありません。

親がアルコール依存症のままだと末路は?

アルコール依存症のままで過ごしていると末路はどうなる?

アルコール依存症が進行すると、体内にアルコールが存在しない時間を作ることができなくなります。

一日中飲酒したり、酔いつぶれて眠り、目が覚めてはまた飲むといった“連続飲酒”と呼ばれる状態になる場合も。

その段階まで行けば、すでに肝臓や脳などにも大きなダメージが生じていることも考えられます。

アルコール依存症の人の行きつく先は?

重度のアルコール依存症になってしまうと、アルコールが切れるとうつ状態になったり不安に襲われるようになり、飲まずにはいられなくなります。

やがて幻覚が見えるようになるなどの離脱症状とよばれるものが現れるようになり、内臓疾患などが悪化し、最悪の場合、死に至ることも。

アルコール依存症の家族はどうなる?

『地獄を見たければ、アルコール依存症者のいる家庭を見よ』という言葉があります。

それは、想像を絶する日常だと思います。アルコール依存症の家族は、いやおうなしに巻き込まれます。

親がアルコール依存症であれば、子どもの幸せは望めません。まともに働けなくなれば、一家の収入が減り、生活は困窮します。

家族が代わりに収入を得なければならないかもしれませんし、場合によっては、患者である親の面倒をみなければいけないかもしれません。

酒を買うために、家中のお金をかき集めて持ち出してしまうという例もあります。

外で面倒を起こせばその処理もしなければなりません。

それだけではありません。

精神的に受ける影響も大きく、特にそのような環境で育った子どもは、自尊心が低くなりがちだったり、感情を素直に表に出せなかったり、子どもらしい気持ちをもてずに大人になり、自身も何らかの依存症になるなど、問題をかかえる可能性が高くなると言われています。

真面目な親がアルコール依存症になった原因と背景は?

アルコール依存症になってしまう人の原因、性格、背景、特徴は?

「アルコール依存症」は、お酒を飲む人なら誰もが陥る可能性のある病気です。

ほんの少し思い通りにいかないことがあったり、仕事や家事でストレスを感じたとき、お酒を飲むと気分が晴れる...

そんな軽い理由で飲みはじめ、初めは少量で満足していても、毎日飲むうちに徐々に少量では酔えなくなります。

そして次第に飲む量が増えていく...

これが「アルコール依存症」への道です。

大きな原因がなくてもなります。お酒を飲む人なら、誰でもなる可能性があるのです。

アルコールが好きじゃなかった人もなってしまうの?

アルコールがそれほど好きではなくても、毎日の飲酒が習慣になってしまうと、アルコール依存症になる可能性はあります。

アルコール依存症は、習慣的にお酒を飲み続けることで陥ります。

心が強くても弱くても、まじめな人もそうでない人も、性別も年齢も関係なく、誰でも陥る可能性があるのです。

アルコール依存症の父を見捨てて生きていきたい!

アルコール依存症の父を見捨てることはできる?見捨てたいと思ったらどうする?

父親がアルコール依存症であれば、「父親から離れたい」と思うのは当然です。

そのつらさは、アルコール依存症がどういうものかを知らない他人に理解してもらうのはとても難しいものです。

日本の社会では、そういった問題は「家族でなんとかするのが当然」という風潮も強く、周囲の人に相談しても、逆に「がんばれ」などと励まされ、絶望を感じることになるかもしれません。

耐えられないほどつらいときは、自分の心身の健康を守るために父親を見捨てて逃げてしまってもいいのです。

自分で働いて生計を立てられる年齢なら、父親のいる家を出ていくことも可能でしょう。しかし、そうしたことで逆に罪悪感に苦しむことになるかもしれません。

一緒にいてもつらい、逃げてもつらい...

これも、『地獄を見たければ、アルコール依存症者のいる家庭を見よ』といわれる理由のひとつかもしれません。

そんな「アルコール依存症者の家族にしかわからないつらさ」を癒すためにも、専門家や自助グループに相談することをおすすめします。

アルコール依存症者を治療することと同時に、その家族の心身の健康を取り戻すことも、とても大切なことなのです。

アルコール依存症の親は治療できる?

アルコール依存症の親を治療するには?

アルコール依存症治療の目標は、原則的にはアルコールを一切断つ=「断酒」です。

まずは通院治療からはじめられますが、通院では断酒がうまくできない場合、あるいは、内科合併症が重篤な場合には、入院治療が必要になります。

治療は、まずはさまざまな離脱症状を緩和するために断酒初期のみ抗不安薬が処方されます。

アルコール依存症の離脱症状は数日~2週間続くとされており、離脱症状が落ち着いた後は断酒を継続するためのリハビリが行われます。

治療の進め方は、依存症や合併症の重症度や社会的な背景によっても異なりますが、誤った飲酒行動を正すための「認知行動療法」を集団療法の形で実施し、補助的に、お酒を飲むと気分が不快になる「抗酒剤」や、飲酒欲求を緩和する「抗渇望薬」の投与も行われます。

また、自助グループに継続的に参加することも、長期間の断酒を達成するうえでは非常に効果的と考えられています。

なお、最近はお酒を完全に断つのではなく、医師の指導のもとで「減酒」するという治療法も行われるようになったそうです。

病院はどこにいけばいい?行政のサポートは?治療費はどれぐらいかかる?

アルコール依存症の治療を専門に行っている医療機関については、次項「アルコール依存症の相談先」にまとめました。

他にもあるかもしれませんが、まずはこれらを参考にしてください。

また、アルコール依存症の治療費については、それぞれの治療内容により異なりますが、公的医療保険のほか、各種医療費助成制度(例:自立支援医療(精神通院医療))を利用し、軽減することが可能です。

アルコール依存症の親に病院をすすめる言い方やタイミングは?

アルコール依存症の親にカウンセリングや治療をすすめる伝え方は?タイミングは?逆切れされてしまった場合は?

アルコールに限らず、「依存症」と呼ばれる病気は、本人が病気であることを認めたり、本人から治療やサポートを受けようとすることが難しい病気です。

家族が治療やサポートをすすめても本人の抵抗が激しく、治療や支援につながらないことは大いに考えられます。

逆に、身近な家族が心配してかける言葉などが、かえって本人を飲酒に走らせてしまうことも少なくないと言われています。

そんな時は、まずは家族や周囲の人が専門家の助言を受けて、どのような対応が効果的なのかを知り、本人の支援や治療につなげていくという方法がおすすめです。

アルコール依存症の相談先

医療機関

  • アルコール・薬物・ギャンブル障害 依存症専門医療機関リスト (kurihama-med.jp)
アルコール・薬物・ギャンブル障害 依存症専門医療機関リスト

行政機関

  • 全国精神保健福祉センター一覧
全国精神保健福祉センター一覧│全国精神保健福祉センター長会
  • 保健所管轄区域案内 (mhlw.go.jp)
保健所管轄区域案内

支援団代・関連団体など

  • 特定非営利活動法人ASK(アルコール薬物問題全国市民協会)
トップページ | 特定非営利活動法人ASK
アルコール・薬物・その他の依存問題を予防し、回復を応援する社会を作るNPO法人「ASK」の情報発信サイト

リハビリ施設

  • 全国マック協議会
TOP - 全国マック協議会
全国マック協議会は、依存症者の回復のための施設であるマックが、各々の活動の報告や、今後の方針について検討するために設けられた機関です。

自助グループ

  • AA(アルコホーリクス・アノニマス) AA日本ゼネラルサービス – AA JapanGeneralService –
AA日本ゼネラルサービス – AA JapanGeneralService – | AA日本ゼネラルサービス – AA JapanGeneralService – 03-3590-5377
AA日本ゼネラルサービス – AA JapanGeneralService – 03-3590-5377
  • Al-Anon(アラノン)
Al-Anon アラノン家族グループ
アラノンは、身近な人のアルコールの問題に影響を受けている、または受けたと感じている人たち、依存性者の配偶者や親の立場の方、友人、そして子どもの頃にアルコール依存症の影響を受けたと感じているアダルトチルドレン(AC)の人たちがお互いに共通の問題を解決していく自助グループです。
  • 公益社団法人全日本断酒連盟
公益社団法人 全日本断酒連盟

まとめ

昨今増加している「アルコール依存症」。

父親がアルコール依存症でつらい、見捨てて別々の人生を送りたい.....そんな苦しみを抱えている方へ。医療機関や専門家、自助グループに相談することで、解決の糸口が見つかる可能性があります。

 

  1. 父親がアルコール依存症で辛い! アルコール依存症は病気であり、「酒癖」ではありません。依存症は放置していると悪化する可能性が高く、家族や周囲の人々を巻き込み、その人たちの心身の健康も脅かします。
  2. 親がアルコール依存症のままだと末路は? 依存症の本人は、仕事も健康も失う恐れがあります。放置すれば内臓疾患を引き起こし死に至るかもしれません。家族は困窮し、疲弊し、子どもたちに与える負の影響は計り知れません。
  3. 真面目な親がアルコール依存症になった原因と背景は? アルコール依存症は、お酒を飲む人なら誰もが陥る可能性があります。アルコールが好きではなくても、飲酒が毎日の習慣になってしまえば、依存症に陥る可能性は大です。
  4. アルコール依存症の父を見捨てて生きていきたい! 親がアルコール依存症である辛さは、経験した人でないとわかってもらえないかもしれません。「父親から離れたい」と思ったら、まずは専門の医療機関や自助グループに相談しましょう。「一緒にいてもつらい、逃げてもつらい...」そんな心の呪縛をとくには、アルコール依存症者の家族にも支援が必要です。
  5. アルコール依存症の親は治療できる? アルコール依存症は治療できます。まずは専門の医療機関や支援する施設、自助グループなどに相談しましょう。治療費は治療内容によって異なりますが、各種医療費助成制度を利用することもできるので安心です。
  6. アルコール依存症の親に病院をすすめる言い方やタイミングは? 「依存症」と呼ばれる病気は、本人が病気であることを認めたり、本人から治療やサポートを受けようとすることは難しいでしょう。まずは家族や周囲の人が専門家に相談し、それから患者本人を医療や支援につなげていきましょう。

なんらかの「依存症」になる人は、年々増加しています。

中でも、身近に売っていて簡単に手に入るアルコールの依存症になる人は、コロナ禍の影響もあり急激に増えているそうです。

「アルコール依存症」は病気です。

早期発見・早期治療で、回復する確率は高くなりますし、回復にかかる時間は短くすむ可能性も高まります。

逆に、放置すればするほど、回復にかかる時間は長くなり、回復できるかどうかも難しくなります。

ですが、実際に医療機関や支援につながったことで、時間はかかっても回復し、社会復帰した人はいます。決して治らない病気ではないのです。

“お父さんのお酒の飲み方、ちょっとおかしいな?”

そう思ったら、なるべく早めに専門機関に相談しましょう。

“アルコール依存症の父親を捨てて、新しい人生をはじめたい...”

そこまで追いつめられてしまったとしても、適切な治療や支援に結びつけることで、元のような生活に戻せる可能性はありますし、傷ついた家族にも支援が必要です。

ぜひ相談してみてください。

そして、心身の健康を取り戻されることを祈ります。

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