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【知って得する大家さん情報】不動産会社との上手な付き合い方

大家さんにとって思いがけぬ退去による長期空室は、死活問題といっても過言ではありません。物件を購入する際には表面利回りしか気にしなかった、なんていう場合は特に大問題です。

空室が出るとわかった時点で、次なる賃借人を探してくれる不動産会社は、大家さんにとってはありがたい存在ですね。
今回は、知って得する大家さん情報として、不動産会社との上手な付き合い方、について取り上げてみます。

まず、不動産を所有する際に関わる不動産業者です。物件の所有者が不動産会社で、その会社が直接の売主である場合、仲介手数料がかかりません。
一般的に「売主物件」の購入の場合は、直接売主から買うことになるので、購入の際には不動産会社を選んでから買うより、いい物件を扱っている会社から購入する、というケースが一般的です。リスク回避のために、なじみの不動産会社にわざわざ仲介手数料を支払って売主物件の購入に仲介業者を立てるという方は稀です。

税に対する知識のある不動産会社か?

投資用不動産を購入する際に、特に意識するべきなのが税法です。その物件が中古である場合には居住用の購入の際とは異なり、軽減税率の特例が適用されないなど、税制面がシビアになります。また、ローンを利用する際の金利も高くなることは間違いありません。居住用物件の購入と同じ感覚で投資用の不動産を購入してはいけません。

建物や建物に付属する設備など、いわゆる資産について、購入の際にすべてを必要経費にするのではなく、減価償却として耐用年数で分割して毎年の必要経費に充てるといったことについても判断をする必要が生じます。減価償却の方法は定額法と定率法があり、その総額はどちらを使用しても結果としては同じですが、早期に経費にするのか否かでその選択が異なってきます。

個人で定率法を選択したい場合は、事前に「所得税の減価償却資産の償却方法の届出書」を税務署に提出しておくことで、定率法での計算が可能になります。届出書が出されていない場合は必然的に定額法での算出となります。購入する際にこうした税に対する知識も必要になりますから、投資用物件について知識が豊かな担当者から購入するほうが、何かと後々のトラブルが少ないはずです。購入の際には、誠実なその道のプロに出会えるか否か、という運も、“不動産は縁もの“という言葉のとおりかもしれません。

賃貸の管理業務を行う不動産会社選び

購入した際に関わった仲介業者に賃貸管理部門がある場合、そのまま賃貸管理を委託するケースも多いようですが、売買に強い会社がそのまま賃貸にも強いとも限りません。また、購入の際に関わった業者が“売買専門”の場合、その先の賃貸管理には、別の管理を業務とする不動産会社を選ばざるを得なくなります。

大家さんになった場合に管理を委託する不動産会社を選ぶポイントは、
・管理業務の委託費用がどの程度かを知る 
・各社のメリットを知る
・どこまで委託するか判断する
という点になります。

委託する管理業務は、不動産物件の「ソフト面」の管理と「ハード面」の管理とに分けて考える必要があります。ソフト面をPM(プロパティマネジメント)業務と呼び、ハード面をBM(ビルマネジメント・ビルメンテナンス)業務といいます。PM業務の具体的な内容は、空室テナント誘致=リーシング、賃貸借契約締結業務、契約後のクレーム対応、いわゆる集金代行と呼ばれる賃料の回収作業、滞納が生じた際にはその督促、修繕が必要な場合の工事の発注・管理、それらについてのオーナーへの報告業務が挙げられます。

また、オーナーへのその物件の資産活用についてのコンサルティング業務や、税務についてのアドバイス、法務に関するサポートなど、不動産に付随した、オーナーの資産全体を対象にした業務をPMと括っている会社もあります。戸建てや分譲マンションの一室の管理を委託する場合などはPM業務のみの委託となります。
一方、一棟全体の管理などを委託する場合に必要になる、ビルマネジメント、ビルメンテナンスに必要なBM業務。その具体的な内容は、日常の物件清掃、物件の付帯設備の管理・点検、巡回見回りや駐在など警備業務、法的に定期点検を強いられる防災消防の管理、植栽の管理など、賃貸管理におけるハード面の業務について挙げられます。

こうした、不動産管理のハード面に相当する業務を委託する費用をBM費用(BMフィー)と呼びます。
PMフィーのみならずBMフィーが発生する場合など、その委託費用が家賃の何%相当なのかについて把握した上で、必要とされる業務の委託をプロに委託するのが賢明とされています。各社さまざまなプランを挙げていますので、比較検討する必要があります。

経験者が語る管理業者選び

不動産の“PM管理を委託する際の不動産会社選びのポイント“を、今回この記事を書くにあたり複数のすでに管理の委託を経験しているオーナーさんたちに尋ねてみると、

・物件の所在エリアに強い会社であることが必須
・地域に対する情報量が豊かで、募集に対する力のある不動産会社であることが大事
・極端に地主さんとの付き合いが蜜な不動産会社の場合、1戸のみを預ける顧客に対しては親身でない場合があるので、一棟すべてを預けるオーナーではなく個人のオーナーに対しても友好的な不動産会社を選ぶと良い
・トラブルに対する対応が24時間である会社を選ぶのがお勧め
・近隣トラブルや入居者トラブル、漏水や鍵の紛失などに24時間対応してくれるシステムのある会社のほうが、何かと安心
・ビジネスライクな節度ある付き合い、程よい距離感を保ってくれる不動産会社を選ぶのが良いでしょう。必要以上に親しくなる必要はありません。
・不特定多数の不動産会社に広告を委ねたりせず、そのエリアを探している潜在顧客を持っている業者を選ぶと良い
・新たに一から募集するのではなく、物件が出たらお知らせする約束をしているお客様(=潜在顧客)がどの業者にもいるはずです。その数が多い不動産会社がベストです。
・管理が行き届いているなと感じる物件を管理している会社を訪ねる方法もひとつです。ただ、その場合大家さんが行き届いていて管理会社が行き届いているのではない場合がありますから、管理会社が管理する物件は複数比較すると良いでしょう。管理会社の自称話を鵜呑みにせず自分の目で確認することが大事です。
・同じエリアに信頼できる投資家がいれば、その紹介が一番。すでにオーナー家業をしている知人に紹介してもらうのが良い。ただし相性があるので、事前にHPを見るなりしてから会うことを薦めるなどの意見が上がってきました。

さらには長い回答ですが参考になるので記載します。
「特に費用の面で、はっきり本音を言ってくれる会社を選んだ方が良いですよ。また、メンテナンスに関しては、初期の段階で早めに対応していれば簡単に済むことを、長引かせたために入居者が感情的になってしまい、解決が困難になる場合があります。依頼した内容を、どう対応したかについての報告をしてくれるかも大切です。一般的な判断はこうだよね、という線引きをしたうえで共有し、それ以上のことがあればすぐに連絡をくれるようにしておく、そんなルール作りも大事です」。

また、「賃貸の管理は、会社全体の社風で依頼するというより、担当してくれる方の人間性によるところも大きいと思うので、会社のスケールより、信頼できる担当者との出会いもが一番かなと思います。不動産会社に働く営業の方は“個人商店”のような側面をもっていますから、会社の大小よりその人の資質にかけるといった選択肢もあると思います」さらに、「初心者の場合は、多少管理費が高くても、安定した会社を選ぶのが大事」といった意見も挙がりました。管理会社の選出には、地元との密着度、担当者の資質、といったビジネスライクだけでは選べない側面があるようです。

空室が出た際にすでに持っている潜在顧客の中で、次なる借主を探せる仲介力の高い不動産会社の存在や、税に対する知識を持つ不動産会社。PM、BM双方に長けた不動産会社や小回りの聞く個人商店的な担当者のいる不動産会社。一言に不動産会社といってもさまざまな側面を持ち合わせていますから、自身の物件に必要とされる不動産会社選びを、アンテナを高くすることが大事です。

いつも満室にしている大家さんと、そうではない空室率の高い大家さんとの違いは、管理業や仲介業を行う不動産会社とのコミュニケーションかもしれません。各社とも、空室期間をできるだけ作らないよう、さまざまな工夫はしていると思いますが、身近に感じる大家さんの物件と、顔を合わせたこともない大家さんの物件とでは、その扱いに差が生じる可能性があるでしょう。

集客の際にオーナーが広告費を負担するか否かでも、募集に対する対応や担当者の意欲には差が生じます。自身が募集を依頼した物件が、物件ポータルサイト(SUUMO、ホームズ、アットホームなど)に掲載されていないのは、なぜでしょうか? 掲載についての費用を不動産会社が負担するケースと、オーナーが負担するケースがあることをご存知でしょうか?不動産会社は企業であり、利益を得るのが仕事ですから、掲載フィーを負担しても集客を行うメリットのある物件と、そうではない物件との選別をしている可能性もあります。

空室率が増してきた場合、長い付き合いだからと、一社だけに依頼し続けるのではなく、新しい風を求めて数社に依頼し、不動産会社同士に競ってもらう、という方法も必要な場合があります。また、時には家賃を下げる判断や入居制限も緩和する決断も必要でしょう。

自身にとっては愛着ある清潔な物件でも、借りる側からしたら古いとしか感じられない場合もあります。その場合大幅なリフォームを行い、賃料を見直すアドバイスを専門家から受けるなどの機会も必要です。

マンネリ化した関係性ゆえに得られないアドバイス、というものもあるかもしれません。不動産会社やリフォーム会社、銀行、保証会社など賃貸経営に携わる取引業者を下請けと見るのではなく、自身の賃貸経営の成功に導くパートナーとしてコミュニケーションを図るといった改善も大切です。

まとめ

時代の変化とともに、不動産投資に関する考え方、判断方法、その手法も変わってきている可能性があります。十年一昔、というように、不動産に対する対応方法も10年を目処に変えていくと良いようです。物件をいつでも同じ扱いをするのではなく、生きた資産と考え、都度、その時代に適した方法で、時にはリスクも伴いつつ、結果的にはプラスの資産として運用できるよう工夫しながら対応していく楽しみもあるはずです。

さまざまな情報が得られる現代において最終的に必要なのは、自身の直観力かもしれません。不動産会社との円滑な関係性を構築することが、賃貸オーナーとしての成功の鍵といっても過言ではないでしょう。

初めての賃貸オーナーが必要とする不動産会社との付き合い方も、長年の付き合いだからこそ見直しが必要な不動産会社との関係性も、最終的には人対人のコミュニケーションです。物怖じせず、自身の不動産投資物件がよりよい活用方法になるためには、オーナーの意思や想いを不動産会社にぶつける必要も、時にはあるかもしれませんね。

執筆者
早乙女 明子(建築プロデューサー)

株式会社ガウディ 代表取締役
■保有資格
宅地建物取引士、二級建築士、施工管理士、ハウスインスペクター

オールアバウト・インテリアガイド
LIFULL HOME’S PRESS 記者
日本不動産ジャーナリスト会議 所属

完成した空間に自分を合わせるのではなく、『自分に合わせた空間をしっかりと作りたい』という方のために、
レジデンスやサロンなどの空間と、真摯に向き合っている。