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【サラリーマン大家が急増中】失敗しないための中古アパート経営

サラリーマンを続けながら、アパートの大家となり家賃収入を得るサラリーマン大家が急増しています。国税庁の「申告所得税標本調査」によると、給与所得者(※)が事業所得(営業所得)も申告した件数は、平成20年には94,365人でしたが、平成28年には112,136人に増加しています。つまり、サラリーマンが副業を行うケースが約1.2倍に増えているのです。また、平成29年の「建築着工統計調査」によると、平成29年まで6年連続で貸家の着工件数が増えています。

※給与所得者……利子所得、配当所得、不動産所得、退職所得、山林所得、譲渡所得、一時所得、雑所得の金額のいずれよりも給与所得の金額の方が大きい者

複数の収入源を持つことで年収の増加を見込むことができます。もし、リストラにあった場合でも、家賃収入が得られることは心強いでしょう。ここでは、サラリーマン大家を目指す人が知っておきたい兼業のメリットやアパート経営の始め方について、ご紹介します。

サラリーマン大家が急増中

サラリーマン大家が増加している理由はいくつかあります。

日本人の平均寿命は男性80.98 年、女性87.14 年です(厚生労働省「平成28年簡易生命表」より)。60歳から65歳でサラリーマンとしての生活を終えてからも、人生はさらに20年ほど続くことになり、老後の生活費を確保できる方法を検討しておかなければなりません。

2015年に実施された相続税の課税最低点の引き下げも、サラリーマン大家の増加につながったと考えられます。それまでは相続税対策を積極的に行ってこなかった人も、相続税の納税資金を確保する方法や、節税のためのアパート経営などに関心を寄せているのです。

また、親から不動産を相続した場合、空き家のまま放置しておくと、法的な問題に発展するというリスクもあります。2015年5月に実施された空き家対策特別措置法は、国として「管理できない空き家を放置しないでください」という法律を設け、空き家の管理と積極活用を促す方針を示したのです。

実際に、いたんだままの空き家を放置すると、家屋の倒壊や不法投棄が行われるなどの可能性もあります。さらに、空き家をそのまま保持していても利益が生まれず、固定資産税などの費用がかさむばかりです。このような場合、サラリーマンが空き物件を活用して、アパート経営に乗り出すことは、有効な対策となります。これが、サラリーマン大家が増加している理由でもあります。

銀行からの融資も受けやすい

大家としての実績がない人にとって、サラリーマンとしての収入を得ていることが、銀行融資を受ける際には有利となります。勤続年数が長く、安定した収入がある人ほど、銀行融資は受けやすくなるのです。

融資の可否を判断する金融機関と、融資を受ける大家さんの意識には大きな違いがあります。大家さんは、「アパート経営を成功させる」ために事業計画や収支計画を立てることになります。一方、融資を行う銀行は「仮にアパート経営が失敗した場合でも、銀行が損をしなくて済むかどうか」を判断の基準としているのです。

不動産投資ローンは、「当該物件を担保としてお金を借りる」という仕組みの商品です。仮にアパート経営がうまくいかなかった場合にも、担保を競売にかけるなどの方法で融資した金額を回収できるのか、という観点で金融機関側は審査を行います。

アパート経営以外にも、サラリーマンとしての収入がある人は「給与を返済にあてるという方法で、銀行に返済ができる」という有利な条件を持っています。まったく収入がない人が「アパート経営で得た収入を返済にまわす」という形で融資を申し込むよりも、立場としては有利になるのです。

まずはどのように動くか?

サラリーマン大家としてアパート経営を始めるための流れをご紹介します。

(1)不動産投資の目標を定め大家さんのライフプランニングを行う
まず、家計の収支状況、資産状況について把握し、不動産投資にどのくらいの資金を割くことができるのかを検討します。そして、アパート経営でどのくらい収益を上げたいのか、10年、20年と不動産投資を続けたとき、どのような形で大家業に取り組んでいきたいのか、将来像についても考えましょう。

不動産投資で得られる収益は次のものがあります。
・家賃収入をはじめとするインカムゲイン
・不動産の価値が上昇することによるキャピタルゲイン
アパート経営を続ける間は主にインカムゲインを得ることになります。そして建物の老朽化などによりアパート経営を終了する時点では、キャピタルゲインに注目することになります。

(2)物件探しを始める
(1)で把握した大家さん自身の資金力や、期待する利回りなどに応じて合う物件を探します。大家経験がなく、サラリーマンとしての本業を続けながら大家業に取り組みたい人は、中古アパートや中古マンションを購入してスタートするほうが安心でしょう。なぜなら、物件を新築するには時間と労力がかかりますし、物件のイメージをゼロから作り上げていくためには、大家としての経験があることが望ましいからです。

物件選びの際にチェックしたいのは、利回りについてです。不動産経営には様々なコストがかかるだけでなく、アパートローンの返済も行わなければなりません。物件経営によって、どのくらいの家賃収入が得られるかを計算するための数値が利回りです。

・表面利回り=1年間の家賃収入÷物件の購入価格×100
・実質利回り=(1年間の家賃収入-1年間にかかる費用)÷(物件の購入価格+諸費用)×100

投資用物件を紹介するチラシや情報サイトに表示されている利回りは、表面利回りであることが多いです。しかし、アパート経営にはさまざまな費用がかかりますので、大家さんの手元に残るお金を表す実質利回りは、表面利回りに比べて低くなります。この点について理解した上で、物件選びを行いましょう。

(3)信頼できるパートナーを選ぶ
中古アパート経営について、1人ですべての業務を行うのは現実的ではありません。サラリーマンとしての本業を続けながら、入居希望者への対応、アパートの共有設備の管理と修繕、清掃業務、帳簿の管理などを行うのは難しいでしょう。

そこで、アパートの管理運営を代行してくれる専門家とのパートナーシップが重要になります。アパート経営のパートナーは、アパートローンに力を入れている金融機関、不動産会社、相続業務や不動産経営の分野に精通している税理士事務所、会計事務所、アパートの管理業務を専門としている会社などが候補となります。焦らず、信頼できるパートナーを選ぶようにしましょう。

(4)ローン審査について金融機関に打診を行う
良いと思う物件が見つかったら、金融機関にアパートの経営計画について話し、融資の可否や融資限度額についての打診を行います。
すでに述べた通り、金融機関側はアパート経営がうまくいった場合の家賃収入のことよりも、土地や建物の担保としての価値や、大家さんの収入、信用性などを審査の対象としていることを忘れないようにしましょう。

(5)物件の購入とローン契約
物件の購入する場合、不動産会社と物件の購入契約を結び、所有権の移転登記を行います。中古アパートの場合は、リフォームやリノベーションが必要となることもあります。その間は家賃収入が得られませんが、アパートローンの返済はスタートしてしまう、という場合もあります。そのような場合でも対処できるように、収支計画を立てるようにしましょう。

(6)賃貸経営を開始
いよいよ、賃貸経営の開始です。まず、入居者の募集を行い、希望者との面談や審査をしてから、入居のための契約を結びます。募集を行っても入居希望者がなかなか集まらない場合には、家賃の設定を見直すことや、物件の内外装設備などで入居者が不満に感じている要素がないかを検討する、といった作業も必要です。

入居審査の条件については、物件の管理を委託する会社にも相談に乗ってもらいながら決めるようにします。その際、「家賃を滞納しない人かどうか」が審査の大きなポイントなります。しかし、あまりにも審査基準を厳しくすると、「希望者がいるのに実際の入居につながらない」という弊害もあるので、そのバランスが大切となります。

まとめ

サラリーマン大家として中古アパート経営を始めるなら、利回りのよい物件を探すことも大事ですが、なにより信頼できるパートナーを選ぶことがとても重要です。なぜなら、サラリーマンを続けながら、1人で賃貸経営に関するすべての業務を行うのは難しいからです。大家として、どのようなアパートに育てていきたいかをパートナーと共有しながら事業を進めていくようにしましょう。

サラリーマンとしての収入があることは、アパートローンの融資を受ける際のことだけでなく、万が一、アパート経営がうまくいかなかった場合にも心強いものです。将来、サラリーマンではなくなったときにも、家賃収入が得られるような環境づくりを少しずつ進めていきましょう。

富田浩司 (ファイナンシャルプランナー)

富田FP事務所 代表

ゴールドマンサックス証券などの勤務を経て2007年に富田FP事務所を設立。主に、子育て世帯のマネープランをテーマに、講演、執筆活動などを行い、金融リテラシー向上に努める一方、FP相談では本音で話し、本気でサポートするFPとして、多数の顧客から支持を得ている。

<得意分野>
ライフプラン(マネープラン)コンサル、子育て・教育資金コンサル、長期分散投資コンサル、保険新規見直しコンサル、不動産購入・不動産投資コンサル、節約経費削減コンサル、法人税金対策コンサル