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【お金をかけるだけじゃない!】次の繁忙期で入居者に選ばれる部屋にするためには!?

引っ越しシーズン(繁忙期)後にすべきこと

1月から4月の引っ越しシーズン(繁忙期)にどれだけの入居者を確保できるかは、その後1年の空室率を左右します。なぜなら、引っ越しシーズンに埋まらない部屋は、その後数か月から1年単位で空室になる可能性があるからです。空室率を考えれば、できることなら引っ越しシーズン中に賃貸借契約を勝ち取りたいところです。しかし、周辺のライバル物件との兼ね合いもありますから全てがうまくいくわけではありません。では、健闘むなしく売れ残ってしまった物件のオーナーは、通常期をどう過ごすべきなのでしょうか。

○差別化を意識した「特化型賃貸」を目指す

引っ越しシーズンが過ぎても契約を勝ち取れない物件の多くは、「良くも悪くも特徴がない」ことが多いものです。家賃は周辺の平均並みで、特に古くもないが新築でもなく、間取りにも工夫がない。つまり、「アピールポイント」がないのです。そこで、近年注目を集めている「特化型賃貸」を目指してみてはどうでしょう。「女性専用」「ネコ好き」「IT技術者専用」など、あえて入居者の属性を限定するのです。当然、これらの属性に合わせて多少のリフォームや内装及び設備の工夫は必要になるでしょう。

しかし特化型賃貸は、募集から満室までの空室期間が短く、入居率が高く維持しやすいというメリットがあります。一般的な繁忙期を過ぎても、潜在的なニーズを掴むことができれば、繁忙期でなくても入居の申し込みを得られて、空室率を下げられるものです。

○家賃の絶対額よりも「割安感」を重視する
賃貸物件は「家賃の高低」よりも「割安感」で選ばれることが多いものです。つまり、周辺のライバル物件よりもコストパフォーマンスが良いと評価されれば、入居の申し込みを得られやすくなります。また、引っ越しシーズンを過ぎてから部屋を探す入居希望者は「掘り出し物」的な物件を探す傾向があるため、この心理をうまく利用すべきです。

外観は少し古いものの、内装が綺麗で清掃も行き届いており、照明の配置に工夫がある、さらに無料のネット回線(光回線)で無線LAN(Wifi)が利用でき、通信料が節約できる、なおかつ家賃が少し安ければ、内見に来た入居希望者の心証が良くなります。値下げの意思決定が重要なことはもちろんですが、工夫の価値を認めてもらい、「いかに割安感を覚えてもらうか」に注力すべきでしょう。

○少額の設備投資で付加価値をアップする
上記のように、「選ばれる物件」は割安感を覚えてもらいやすい物件といえます。この割安感は、設備投資による付加価値アップで演出しやすいものです。例えばエアコンを最新のものに交換したり、IHコンロを設置したりといった対策が有効です。これらは設備の新しさだけではなく、「実際に入居者が負担する光熱費が減る」という点もアピールできます。家賃が多少高くても、光熱費や通信費を含めたトータルコストが安くなるのなら、賃貸借契約の動機付けになるわけです。

○「見えるところ」のリフォーム・コーディネート

築年数が長く古い物件なら、壁や床・天井・照明・収納・備え付けの棚など、内見時に見えるところを重点的にリフォームしましょう。また、キッチンや浴室などの水回りも徹底的に清掃し、見栄えを良くします。さらに扉板や壁にシートを貼り、変色が目立たないようカバーすることも大切です。このとき、デザイナーズマンションの内装などを参考にカラーコーディネートを考えても良いでしょう。アクセントクロスを使ってあえて壁の一面だけでも色を変えれば、ライバル物件との差別化につながります。

○通常期は準繁忙期に向けての助走と考える
1月から4月が繁忙期だとすると、9月から12月は「準繁忙期」と言われています。準繁忙期に少しでも空室率を下げ、その後の繁忙期で一気に満室を目指すために、通常期は助走期間と考えることもできます。もちろん、前述したような差別化で小まめに契約を狙っていくことも忘れずに。通常期は「投資と準備」が7割、入居者獲得が3割くらいのイメージでも良いかもしれません。

○たとえ通常期に満室でも対策は必要
繁忙期に着実に満室を達成したとしても、次の繁忙期では空室が出る可能性もあります。周辺のライバル物件や生活環境次第でもありますが、満室だからといって何の対策もしないというのは得策ではありません。近隣の競合物件を調査したり、更新料を見直したり、清掃や修繕に力を入れたりと、「住み続けてもらう」ための努力が空室率を下げていくのです。

9月からの準繁忙期に向けて

通常期が終わり、9月から12月の準繁忙期を迎えると、徐々に入居希望者が増えてきます。そのため、通常期の終わりごろである8月に入ったら、早めに募集広告の対策を練るべきです。退去予定がある入居者からの情報を早めにチェックしておき、退去のタイミングに合わせて入居者を募れば、空室期間が短くなって収益率がアップします。ただし、無意味に広告費をかければ良いというわけではありません。

通常期の部屋の埋まり具合や周辺のライバル物件の状況などを整理し、無駄のない広告を打たなくてはいけません。このとき、入居者募集の広告に使う写真の撮り方も工夫してみましょう。写真の見栄えの良さは、内見希望者を増やす効果があります。例えば単身者向け物件で、入居希望者に男性が多いようならば、間接照明をうまく使いシックで落ち着いた雰囲気の写真を用意します。一方、ファミリー向け物件ならば、できるだけ明るさ・広さ・高さが感じられるような写真が向いています。

また、募集チラシもひと手間加えていきましょう。親近感を出すために手書きで、かつ自分の言葉で部屋の魅力を伝えれば、安心感や信頼度が増します。チラシには部屋のスペックをダラダラと書き連ねるよりも、端的かつシンプルにアピールポイントを記載すべきです。こういった「安心感」「分かりやすさ」が伝わり、内見につながるチラシを作っていきます。このように入居者の目に触れる情報への対策を施していけば、内見の問い合わせ数や契約率のアップに効果があるはずです。

空室対策は「お金をかけること」ではない

本記事で紹介したように、通常期や準繁忙期の空室対策は「資金の投入や広告が全て」というわけではありません。お金をかけた設備投資や広告以上に「入居者の心をどう捕まえるか」が大切なのです。ライバル物件や入居希望者の属性、物件の見せ方、付加価値アップなどを意識し、隠れたニーズをうまく掴んでいきましょう。

設備投資や広告は、あくまでもその一環で、一つの手段です。設備投資や広告が目的にならないよう、くれぐれも注意してください。本当の目的は「空室期間をできるだけ少なくし、ゼロに近づけること」「できるだけ長く住んでもらうこと」です。1月から4月の繁忙期を過ぎた今、次の繁忙期で一気に経営を安定させるべく、効果的な対策を講じていきましょう。

執筆者
大長 伸吉(不動産投資アドバイザー)

ランガルハウス株式会社代表、年金大家の会主宰
■保有資格
宅地建物取引士、AFP、貸金業務取扱主任者

世田谷区・目黒区を中心に東京の土地購入から銀行融資、設計施工、満室管理、税務相続まで個別に寄り添っている。自身も4棟23室の物件を満室運営中。10年間で3,000回以上の個別相談と250回を超えるセミナーを開催。