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【入居者が満足する設備とは!?】最新のトレンドとおすすめ

不動産投資において常にオーナーの悩みの種となりがちな「空室率」。空室率は、ROI(Return On Investment=投資利益率)やCCR(Cash On Cash Return=自己資金回収率)の計算に使われます。つまり、不動産投資の利益率を左右する重要な要素なのです。空室対策にはさまざまなものがありますが、今回は主に設備面にフォーカスしつつ、空室対策のトレンドやコツポイントなどを紹介していきます。少額から始められて、効果が期待できる空室対策のコツポイントはどんなところにあるのでしょうか。

入居者設備・最新のトレンド

これまで、空室対策としては「公的補助金を使ったリフォームやリノベーション」「家賃設定の見直し」「短期賃貸(ウィークリーマンション)への一部転用」などが主流でした。しかし、ここ数年でデジタルな方向への投資が注目を集めています。あらかじめ家電やネット回線などが設置してされた物件が増えたことから、すでにお分かりの方も多いでしょう。特にネット回線付の賃貸物件は、インターネット手配の手間が省けるため、人気のサービスのひとつとなっています。

また、スマートロックを筆頭に、IoTとセキュリティやコミュニケーションをつなげるサービスが急増している点も見逃せません。IoTとは「Internet of Things(モノのインターネット)」のことで、あらゆるモノやサービスがネットワークにつながり、相互に関わり合う仕組みのことです。これらは若年層に向けた空室対策として有効で、不動産の付加価値として認知されるようになっています。例えばIoTを使ったスマートロックは、物理的な鍵が必要ない上に、遠隔地から部屋の鍵を制御できるという画期的な仕組みです。

これまでのオートロック機能とは異なり、入居者が現地にいなくても解錠・施錠・鍵の受け渡しが可能なのです。これは部屋の鍵を「データ」として管理し、そのデータをSNSやメールで送信することで鍵の受け渡しを実現しています。管理会社と入居者は、鍵データをスマホなどでやり取りし、データを受け取ったデバイス(スマホなど)がそのまま部屋の鍵になるという寸法です。鍵の開け閉めや返却に必要な労力を減らし、盗難や紛失のリスクも減らせることから、今後普及すると見られています。

また、超高齢社会となった日本では、今後も高齢者の一人暮らしが増えると予測されています。そこで登場するのがIoTを使った「見守り設備」です。一人離れて暮らす両親や祖父母の生活パターンに何らかの変調があれば、即座に親類に連絡がいくような仕組みです。このようにIoTは既に生活のインフラとして浸透する気配を見せており、立地や家賃などといった、従来の付加価値を覆す可能性をもっているといえます。

IoTマンションとは?

IoTを随所にちりばめた「IoTマンション」をご存じでしょうか。前述したようなIoT絡みのサービスをいたるところに配置し、快適かつ安全な生活を提供する物件のことです。IoTマンションは以下のような特徴を持っています。


・インターネットの手配が不要で、ネット回線が無料
・ネットワークカメラやスマートロックを使った防犯設備
・窓や家電にセンサーを搭載し、締め忘れ・開閉の頻度などを測定

まず、ネット回線費用をあらかじめ家賃に組み込み、入居者への負担を減らします。ネット回線費用は、毎月3000円~5000円程度とはいえ、入居者にとっては立派な「固定費」です。固定費が削減できるのは入居者に対する強いアピールになり、空室対策として効果があります。

さらにネットワークカメラやスマートロックで遠隔地から部屋の内部を監視できたり、施錠の管理ができたりと、強固なセキュリティも魅力となるでしょう。また、窓や家電にセンサーを搭載して「うっかり」を防止できる機能も、生活の快適さを向上させます。このようにIoTマンションは、暮らしの安全と利便性を向上させる新時代の賃貸物件として、急速に普及が進んでいるのです。

では、既存のアパートやマンションにIoTサービスを付与するには、一体どれくらいの費用が必要なのかを見ていきましょう。

こういったIoTサービスは、定額制の月額サービスとして提供されていることがあります。例えば、ある事業者ではインターネット・ネットワークカメラ・スマートロック・モニター付きインターホンなどがセットで月額533円~1000円という料金体系です。また別の例では、エコキュートとIoTを連動させ、稼働時間を制御して最適化する仕組みも登場しています。こちらも生活の中で固定費となる光熱費を無駄にせず、いつでもお湯が使えるようになるというメリットがあります。

大家にとっても、大規模なリフォームやリノベーションよりも安く入居者のQOL(Quality Of Life)向上に直接アプローチでき、費用対効果が高い空室対策といえます。

小額投資で空室対策ができるコツ

ここまで紹介したIoTマンション事例は、初期導入費用として1室数万円程度が必要なものの、空室対策としてはかなり低額な部類に入るでしょう。さらに、少額の投資でできる空室対策は他にもあります。

○内見時の工夫で印象を良くする
リフォームやリノベーションをせず、あくまでも内見時にどれだけ入居者にアピールできるかを追求した対策です。テーブルや照明、人工観葉植物などを配置して、入居希望者に「生活のイメージ」を伝えるわけですね。入居者が持っている潜在的な生活のイメージと内見時の見栄えが合致すれば、立地や家賃などに勝る強みになるでしょう。特に単身者向けの物件では、「効果的に間接照明を配置して、部屋のムードを強調する」といった対策が有効です。

○ネット回線の質にこだわる
賃貸物件で水道やガス同様に重要なインフラであるネット回線も、「質」にこだわることで空室対策になります。夜間でも速度低下を起こしにくく、安定して高速通信が可能な回線を引きたいところです。
賃貸物件では、ケーブルテレビをネット回線と同一にすることもありますが、速度低下や瞬断が多いため、あまりおすすめできません。最近はPCにスマホ、タブレットと、ネット回線を趣味・生活双方に使用するのが当たり前ですから、回線の品質が生活の質に直結します。

そのため、できれば単独の光回線を契約するようにしましょう。回線の質にこだわっていることを前面に押し出せば、ゲーム・動画視聴を趣味とする若年層や単身者への強烈なアピールになるはずです。

このように空室対策は少額の投資でも始められますが、どれも「入居者に生活の快適さを想像させる」ことがポイントです。
これがうまく機能すれば、立地や家賃、間取りにやや難があっても、入居に至る可能性が高くなります。
立地や間取りはいわゆる「カタログスペック」と割り切って、入居者の生活に密着したアピールを考えることが、少額でできる空室対策のコツといえるでしょう。

小林 弘司(不動産コンサルタント)
▼プロフィール
不動産投資家。楽待の「8人の成功者による不動産投資ノウハウ完全版 8つのステップ 2014」の講師に約2万人の投資家の中から選出される。
ゼロから不動産ビジネスを始め、現在、東京都内に7棟(新築2棟、中古5棟)のビル・アパート・マンションとコインパーキング・月極駐車場を複数経営、自主管理している。稼働率は、ほぼ満室の98%。
東京生まれ、東京育ち。大卒後、海外取引メインの商社、外資系マーケティング会社などを経て、2011年サラリーマンを卒業、独立。

▼保有資格
MBA(経営管理修士)、中小企業診断士、1級販売士、GCS認定コーチ、英検準1級