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アナタはもう取り入れていますか?賃貸契約の電子契約について


様々なシチュエーションで徐々に浸透しているペーパーレス化。賃貸契約においても、徐々にペーパーレス化が浸透してきています。ここでは、賃貸契約における電子契約とは何かについて、解説をした上で、大家さん目線から見た電子契約のメリット・デメリットについて考えてみたいと思います。

電子契約とは?

電子契約とは何か?

そもそも電子契約とは、どのような契約形式を指すのでしょうか。電子契約とは、従来書類に印鑑を押して締結していた契約を、パソコンやモバイル端末を利用して、電子データを用いて行うことを指します。

電子契約に関する法的整備が整ったり、電子署名などが技術的に進歩したりするなど、電子契約を導入しやすい環境になったこともあり、電子契約に切り替える業界や企業が増えてきています。

書類契約と電子契約では何が違うの?

書類契約と電子契約とでは、書類が電子データとなる以外にどんな点が異なるのでしょうか。

①署名方法
書類契約においては、署名は記名と印鑑の押印で行われることが一般的です。一方、電子契約で取り入れられているのは電子署名です。電子署名とは、認証機関から発行される「電子証明書」を用いて、リスク(本人に成りすました契約や情報の改ざんなど)を防ぐ技術のことをいいます。2001年に施行された電子署名法により、電子署名は書類契約での記名と印鑑の押印と同様の効力が生じます。

②契約確認
書類契約では、契約内容の確認は契約書類の原本を郵送したり、持参したりするなど、直接書類をやり取りする必要があります。郵送のための時間を要することもありますし、持参する場合でも契約日の調整を行う必要があります。一方で、電子契約では、電子データでのやり取りになりますので、郵送や持参による書類契約と比較してスピーディに契約を締結できる可能性があります。なお、従来の書類契約で行っていた日付記入による契約日時の証明を電子契約はタイムスタンプで行うことができます。

③保管方法
保管方法については、書類契約の場合、ファイリングしてキャビネットや倉庫などに保管することになるでしょう。契約数が多くなれば、それ相応の物理的なスペースを確保しておく必要があります。一方、電子契約の場合は、電子データをサーバーなどに保管することになりますので物理的なスペースを確保する必要はありません。

賃貸契約における電子契約のメリット・デメリット

賃貸契約における電子契約のメリット

賃貸契約における電子契約のメリットを考えてみましょう。

メリット1 業務の効率化

書類で賃貸借契約を締結する際、一般的には、大家さんと入居者の他、仲介会社、管理会社の間で、賃貸借契約書等の郵送または持参によるやり取りが発生します。

例えば仲介会社が賃貸借契約書を2部作成した後、大家さんに記名捺印を求めるため郵送します。その後、大家さんから、入居者に記名捺印をしてもらうために仲介会社に郵送し、入居者の記名捺印が行われます。そして、大家さんに1部を郵送するといったようなやり取りです。この従来のやり方では、仲介会社と大家さん、仲介会社と入京者、相互に郵送時間を要してしまいます。入居日まで時間がない場合などは、書類が到着してすぐに、早く返送してくださいと急がられることも多々あるでしょう。そのほかにも、書類で賃貸借契約を締結する際、賃貸借契約書の保管といった手間がかかります。

一方、電子契約は郵送や持参の時間を気にせず、スピーディに賃貸借契約の締結を行うことができます。賃貸借契約書等のデータをクラウドにアップして、大家さん、入居者、連帯保証人はそのデータにアクセスして電子署名を行うという流れになるため、前述上記のような書類のやり取りが発生しません。また、その契約書類の保管にも場所の確保や手間がかかりません。

メリット2 コスト削減

賃貸借契約を電子契約で行う場合、メリット1でも触れた書類のやり取りが発生しないため、その郵送コストの他、書類の保管にかかるコスト(保管場所の確保、人件費など)を削減することができます。

また、それ以外に、印紙税にかかるコストを削減することもできます。賃貸借契約書は契約文書(印紙税の課税対象)にあたるため、印紙税がかかります。しかし、電子文書は契約文書にあたらないため、課税されません。

メリット3 コンプライアンスの向上

書類で賃貸借契約締結を行う場合、近年増えている自然災害で契約書の破損が生じてしまって、復元が困難になってしまうこともあるでしょう。もちろん、災害に遭うこともなく、丁寧に管理をしていても、紙である以上は経年による劣化は避けられません。また、契約書類のやり取りの中で紛失してしまうということもあり得ない話ではありません。多数の賃貸物件を所有している大家さんであれば、契約書類のやり取りが煩雑になり、個々の契約がどの段階にあるのか、すべて把握し、管理することも難しくなっていきます。

電子契約では、賃貸借契約書等が電子データになっているため、電子署名とタイムスタンプで、個々の契約状態を時間別、行程別に把握することが可能になります。そのため、賃貸借契約の抜け・漏れを少なくして、コンプライアンスの向上を図ることにもつながります。

賃貸契約における電子契約のデメリット

デメリット1 書類での契約が義務付けられている契約には対応できない
賃貸借契約の内、以下の契約については、法律で書面での契約締結、交付が定められています。

定期借地契約(借地借家法22条)
定期建物賃貸借契約(借地借家法38条1項)

そのため、電子契約での契約締結を行うことができません。

デメリット2 入居者の電子契約についての理解
メリットの多い電子契約ではありますが、賃貸借契約の相手方である入居者の理解が得られないと電子契約での賃貸借契約締結をすることができません。

まとめ


電子契約とは何か、そして、賃貸借契約におけるメリット・デメリットについてご理解頂けたでしょうか。法整備や技術革新も進み、電子契約をめぐる環境は整ってきています。また、電子契約以外にも、技術革新のおかげで賃貸経営の効率化を図る方法には、スマホアプリで賃貸管理ができるサービスなど、様々なものがあります。電子契約への理解を深めることで、自分にあった賃貸経営の効率化の方法を探すきっかけにしてみてはいかがでしょうか。

監修者
小林弘司
不動産コンサルタント/不動産投資アドバイザー
東京生まれ、東京育ち。海外取引メインの商社マン、外資系マーケティング、ライセンス会社などを経て、現在は東京都内にビル、マンション、アパート、コインパーキングなど複数保有する不動産ビジネスのオーナー経営者(創業者)です。ネイティヴによる英語スクールの共同経営者、地元の区の「ビジネス相談員」、企業顧問なども行っています。

国内最大の不動産投資ポータルサイト『楽待(らくまち)』の「8人の成功者による不動産投資ノウハウ完全版 8つのステップ 2014」の講師に約2万人の投資家の中から選出。http://www.rakumachi.jp/news/thanks/8step2014#m05 著書 「自主管理」で年4000万円稼ぐマンション経営術(洋泉社) http://www.yosensha.co.jp/book/b252584.html スマホ1台でらくらく儲かる不動産投資法 (ダイヤモンド社) https://www.diamond.co.jp/book/9784478104927.html 法政大学経営大学院イノベーション・マネジメント総合研究所 特任研究員。 経済産業大臣登録 中小企業診断士、MBA(経営管理修士)、一級販売士、GCS認定コーチ。 ARC CONSULTING(アーク・コンサルティング) 代表経営コンサルタント。(社)東京都中小企業診断士協会 城東支部所属。 東京商工会議所 企業変革アシストプログラム事業アドバイザー。 東京信用保証協会 経営力強化専門家。 国内最大不動産投資サイト「楽待」認定コラムニスト。 http://www.rakumachi.jp/news/archives/author/kobachan 好きなことは、読書、サッカー、愛犬との散歩などです。 https://twitter.com/hkobachan https://www.instagram.com/hiroshikobayashi21/