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【結局どっちなの?】大家さんの自主管理と管理委託のメリットとデメリット

賃貸経営で成功をするための重要な基本ポイントは、入居者が生活しやすい立地と入居者に好まれる建物や部屋を所有することです。また、賃貸経営は30年以上の年月をかけて継続して行うことが大半であるため、どのように物件を管理していくのかが賃貸経営を継続するために最も大切なことです。

物件の管理の作業には、物件の清掃、修繕、定期メンテナンス、家賃の回収、そして、入居者からのクレーム対応などがあります。物件管理の質が良いと建物はいつまでも綺麗で長持ちします。しかし、管理の質が悪いと新築の物件でも落ち葉が腐ったり、ゴミがそのままになっていたりしてしまいます。

物件管理の目的は、物件をきれいにし、入居者が快適に生活できるようにサポートをすることです。一般的な管理の形態として、自主管理と管理委託の2つに分類されます。自主管理と管理委託のどちらを選ぶのかは大家さんが判断するべきことです。そのため、自主管理と管理委託について、事前に知っておいてもらいたいことがあります。

自主管理とは?

一般的な賃貸物件の大家さんの自主管理とは、物件の管理を他の業者に委託せず大家さん自身が管理者として、管理全般の作業を行うことを言います。大きな物件や物件を多く所有している大家さんの場合は、すべての管理作業を自分で行うことは難しいため、自主管理をすることが不可能になる場合があります。そのため、自主管理をしているのは、管理する部屋数が少ない場合が一般的です。

管理委託とは?

管理委託とは、物件の管理を大家さんが業者に委託して、管理全般の作業を行ってもらうことを言います。また、管理委託は2種類に分類されます。1つ目のケースは、掃除や家賃の回収や入居者クレームなどすべての作業を含めて委託する全部管理委託です。1つ目のケースでは、大抵は不動産業者が物件の全部の管理をおこないます。

また2つ目のケースは、大家さんが作業内容を選択して、一部の作業を委託する一部管理委託に分類されます。一部管理委託では、清掃作業の一部を清掃業者に委託するケースや、家賃の回収作業と入居者クレームを不動産業者に委託する契約が主に挙げられます。一部管理委託の場合は、大家さんがまったく管理作業をしないのではなく、委託しない作業を大家さんが行います。

自主管理のメリット・デメリット


▼自主管理のメリット
自主管理のメリットは、大家さんの努力次第で大きな成果が出ることと、費用がかからないこと、大家さんの管理能力が向上すること、そして大家さんが入居者と触れ合う機会が多くなることです。こまめに清掃をおこなう大家さんの場合は、大家さんが現地にいることが多く、入居者に接する機会があり、大家さんが入居者の反応を見ることができるため、管理のサービスがより良く向上していく傾向があります。

例えば、物件のエントランスや外構にお花を植えて、そのお花の数がどんどん増えて、とてもきれいな物件ができ上がります。または、クリスマスやお正月など、各月の行事を作り、入居者が喜ぶようなイベントをしてくれる大家さんもいます。これにより、建物は良い綺麗になり、入居者が快適に住むことができるため、入居者の退去率が減り、賃貸経営の収益性が上がります。

▼自主管理のデメリット
デメリットは、大家さんが管理の負担を全て負うため、管理に要する時間と労力が大きくなることです。さらに、大家さんは物件管理の専門家ではないため、勉強をする必要があります。管理について勉強をしていなかった場合には、大きなトラブルを起こすことにつながります。例えば、物件の清掃をするのは大家さんしかいないため、清掃作業を怠ると、建物のエントランスやゴミ置き場などにチラシが散乱ししまう場合もあります。

これにより、入居者が不快に感じて、空室が増えてしまい、賃貸経営の収益性が悪くなります。ただし、物件管理についての勉強は難しいことではありません。人が生活をする上で当たり前のことを、毎回、継続して行うことが有効です。

自主管理であっても、難しい作業である建物修繕や定期建物メンテナンスの作業は施工業者に依頼をすることで対処できます。無理をせずにできないことは委託をすることが有効です。

管理委託のメリット・デメリット

▼管理委託のメリット
次に、管理委託のメリットは、大家さんの作業の負担が少ないことです。時間の負担が少ないことは大きなメリットであり、副業として賃貸経営をしているサラリーマンや他の事業をしている事業主、そして多くの部屋を所有している大家さんがこちらを選択するケースが多々あります。

▼管理委託のデメリット
管理委託のデメリットは管理の内容と作業レベルについて、委託する会社ごとに、良質な作業と良質でない作業をする業者との差異が大きいことです。また、管理のコストがかかることです。そして、委託する価格の大小だけでは作業品質を見極めることが難しいことです。これについては、管理契約内容の契約解除条項の締め付けがきつくないことを契約前に確認し、もし委託した業者が良い仕事をしてくれない場合は、別の業者を探すことが有効です。

そして、もう一つのデメリットは大家さんの物件管理能力が成長しないことです。このため、管理委託をしても、管理作業を確認し、時々は委託をした大家さん自身も物件清掃などの管理作業に協力をすることが有効です。

収益を得るために有効なのはどっち?

どちらが有効なのかの率直な答えをすぐに出すのは難しいです。その理由は、優良な自主管理は、一般の管理委託よりも優れているからであり、また、優良な管理委託は、一般の自主管理よりも優れているからです。つまり、自主管理でも管理委託でも、作業の内容に良いものと悪いものがあり、大家さんがどちらを選んだとしても、その中でベストな状態を保つことが大事なことです。また、上記のように、大家さんが対応できない一部の管理を選択し、その業務だけを委託するという一部管理委託をすることも有効です。

特に、収益物件をはじめて取得した大家さんは、まだ管理する部屋数が多くはないため、初期の段階は、自主管理をして、物件の管理作業を自ら経験することが有効です。これにより、管理作業にはどのような項目があり、またどれほどの労力がいるかを知ることができます。

そして、大家さんになってから3年ほど経てば、管理業務のどの作業項目を委託するのかを判断できるようになります。また、さらに所有物件が多くなったときは管理作業をすべて委託する場合があるかと思いますが、過去に管理作業を行っていた大家さんは管理作業とは何かを把握できているため、管理業者と対等に交渉ができるようになります。

管理業務を経験したことがない人が安易に全部管理委託をすることは良いこととは言えません。まず一度は物件管理作業を大家さんが経験することが有効です。もし、忙しい本業がある場合で、管理作業を行うのが難しくても、物件管理について勉強をするべきです。

そして、大家さんの経験値や所有物件数に応じて、一部管理委託や全部の管理委託を選択することで、安定した賃貸経営を継続することができるようになります。
初めて物件を取得して数年は物件メンテナンスや入居者との物件に関するトラブルも少なくすむので、この間に自主管理を経験することをお勧めします。

執筆者
大長 伸吉(不動産投資アドバイザー)

ランガルハウス株式会社代表、年金大家の会主宰
■保有資格
宅地建物取引士、AFP、貸金業務取扱主任者

世田谷区・目黒区を中心に東京の土地購入から銀行融資、設計施工、満室管理、税務相続まで個別に寄り添っている。自身も4棟23室の物件を満室運営中。10年間で3,000回以上の個別相談と250回を超えるセミナーを開催。