義実家の親を介護したくないから離婚したい!理由として正当?

夫婦生活も長きにわたれば、お互いに体の不調や動きにくさを覚えるようになりますよね。いつまでも元気に生活することは第一ですが、老化による身体の不調は避けられません。ましてや自分たちの両親ともなれば、その変化は顕著なものになります。

そんな時に浮かび上がってくるのが、「親の介護問題」です。

特に女性は夫が長男である場合など、義実家の介護にまで関わるリスクは高いです。

今回は、

  • 「自分の親ならまだしも、義実家の両親の面倒まで見られない」
  • 「避けられないなら離婚を考えたいけど、これって正当な理由なの?」

といった悩みを抱える方にむけて、解決法をお伝えしていきます。

義実家の親を介護したくない!その理由とは?

義実家の親を介護したくない・・・。でもこれって自分だけが思っていることなのかも。”

そう不安に思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。しかし、これって多くの方がぶつかる問題なのです。実際にネットで調べてみても、介護の問題に対する質問や記事は沢山出てきます。

では一体どういったことが、介護を避けたい理由としてあげられるのか?

大まかに5つ挙げていきたいと思います。

義実家の親の介護をしたくない心理。なぜ義実家の面倒をみる必要あるの?

義実家の親の介護をしたくない心理や理由

義実家の親の介護をしたくない理由として、大きなもので5つ挙げられます。理由と共に確認していきましょう。

仕事を辞めたくない

  • “介護にともなって、旦那の地元に引っ越しをする必要がある。”
  • “義親の容態が悪く、日中も生活の手伝いをしなければならない。”

といった理由で、自分が勤めていた職場を辞めなくてはいけない場合です。

一生懸命働いてキャリアをつんでも、それを家庭のこと失うのは勿体ないし、辛いですよね。

義実家の親と同居をしたくない

介護をするうえで、義実家での同居というのも理由の一つです。

かつて嫌みや嫌がらせを受けた過去があるなど、義実家との関係の悪さが大きな要因です。また、そんなに仲が悪くはなくとも、一緒に生活するとなるとハードルは上がりますよね。

自分の時間を奪われたくない

介護をはじめると、相手の生活にあわせて食事や入浴、睡眠などの手伝いをしなければいけません。

夜寝ている時にトイレに行きたいと言われれば、わざわざ起きて向かうこともあります。

自分の時間は奪われ、遊ぶことも、下手すれば休むことすらできない

自分を犠牲にしてまですることだろうかという思いから、あげられた理由の一つです。

自分の親を介護する必要がある

義実家はそうですが、自分の親も十分に生活できる状態でない場合があります。

自分が一人娘だったり、兄弟が遠方に住んでいるとどうしても心配になりますよね。たとえ義実家にお世話になっていても、優先したいのは本当の親です。

こちらの問題を解決しない限り、相手の問題には手が出せないのが正直なところです。

身体的、精神的なストレスが大きい

日常生活全般の介護といえば、起きたり立ち上がること、お風呂やトイレ補助など。このような力仕事が非常に多いです。

相手との体格差があれば余計に、支えるための身体的負担は大きくなります。また、認知症による暴言や暴力、徘徊等の精神的負担も増えます。

「相手の為にどれだけ身を削っても、報われないし逃げることもできない。」こう思うと介護自体に手を出すことが不安になりますよね。

なぜ義実家の面倒をみる必要あるのか?

義実家の親の介護は、特に旦那が長男である場合、するのが当たり前という展開になりがちです。

“そもそもなぜ義実家の面倒をみる必要があるのか?”

これは日本の昔からの価値観に由来しています。

日本では戦前、長男が実家の財産を受け継ぎ、親の老後の世話をしていました。それが現代にも引き継がれ、特に田舎にかけては長男夫婦に面倒をみてもらうという価値観が根強いのです。

そんなこと言われても、前述のような理由から介護をできない、したくないという方はいると思います。

では、介護できないことを理由にした離婚というのは、正当な理由になるでしょうか?

次の項で確認していきましょう。

義実家の親を介護したくない!これって離婚理由になる?

結論から言うと、義実家の親を介護したくないというのは正当な理由になります

しかし離婚する場合、夫婦双方の合意をとることが重要になります。

なぜ正当な理由とされるのか、離婚の場合の慰謝料はどうなるのかをここではお伝えしていきます。

離婚理由として成立するのか。離婚した場合の慰謝料や相場は?

離婚理由として成立するか否か

前でお伝えしたように、戦前の日本では長男夫婦が親の面倒をみることが当たり前でした。

しかし現代では民法の改正があり、

「生まれた順番や性別に関係なく、実子全員平等に財産の相続権があり、親の介護の責任がある」と定められています。

(民法877条1項「直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある」)

つまり、介護される本人と血の繋がりのない嫁には介護の義務がありません

そのため義実家の介護をすることは、本来はやらなくていいけれど本人の好意で行うものという認識でよいといえます。

介護を理由に離婚できるケース

介護を理由に離婚をする場合、「協議離婚」の手続きが必要です。協議離婚とは、夫婦で話し合い、双方が納得すれば成立する離婚です。

どうしても介護が負担になり、離婚がしたい場合は、旦那にその意思を伝え手続きにむかってください。

離婚できないケース

協議離婚について、相手の合意が取れない場合は、家庭裁判所で離婚調停を申し立てる必要があります。ここで旦那が納得すれば離婚ができますが、そうでない時もあります。

ここまでくると、最終手段として裁判で離婚を進めることになります。

ただ裁判では「法的離婚事由」という、法律の定める離婚原因がないと離婚が認められません。

法的離婚事由には、以下の5つが該当します。

  • 相手の浮気・不倫(不貞行為)
  • 3年以上の生死不明
  • 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないこと
  • 悪意の遺棄(正当な理由なく、相手が同居を拒否すること。不倫相手と生活しているなど)
  • その他婚姻を継続し難い重大な事由(性格の不一致からの別居、セックスレスなど)

介護が原因の離婚では「その他婚姻を継続し難い重大な事由」に当てはまる可能性があります。

例えば介護について何度も話し合おうとしたが、旦那が聞く耳を持たず動こうとしない場合です。

長年介護についての負担を伝えてきたが、旦那は妻の意志に反して地元に連れていく。責任を自分に押し付けた態度で、協力をする様子がない。

これを証明できれば客観的に夫婦関係が破綻しているとして、離婚が認められる可能性が高いです。

一方で話し合いを機に、旦那が解決しようと共に考え始める姿勢であれば、破綻しているとはいえません。こういった場合だと、裁判で離婚が認められない可能性は高くなってきます。

離婚する場合、慰謝料はもらえるの?

基本的には離婚の財産分与として、持っている預貯金や不動産などを2分の1ずつ分けられます。2分の1というのは、妻の立場が専業主婦でも共働きでも変わりません。

慰謝料について話をすすめられるのは、

  • 一方的に介護をするよう強要される。”
  • 義親や旦那の言動が原因で、うつ病等の精神的な病を発症した。”

といったケースがあります。

上記ではモラハラを理由に、義親や旦那に対して慰謝料を請求できる可能性があります。

また、二人に未成熟な子供がいる場合には「養育費」の相談も必要でしょう。養育費は一般的に民法で成人とされる年齢までとする場合が多いです。

しかし子供の進学状況によって期間が変わることもあるため、家庭裁判所の調停や審判の手続を通して決めていきましょう。

介護の不満や疲労について、旦那にどう伝える?

義実家の介護について、離婚まではいかないけれどつきっきりにはなりたくない。私に押し付けないで、旦那も動いてほしい。

介護への不満や疲労をどう伝えればよいか悩んでいる人もいると思います。

そんな方に向けて、解決法を提案していこうと思います。

介護への不満を旦那に分かってもらうには?また、協力してもらう方法は?

介護の苦労や不満をどうやったらわかってもらえるのか・・・。

まずは「義実家の身内と話す」ことが先決です。そこで役割分担ができないかの提案をしましょう。

介護には炊事、洗濯、入浴などさまざまな仕事が含まれています。自分が買い物に出る間だけでも、見てくれるだけで安心です。

そこで一つも協力してもらえないといった場合。

「法律で介護の責任があるのは、実子でありその嫁ではない」ことを伝えましょう。

もし長男の嫁に介護する責任があるというのなら、その兄弟の配偶者、親族も同様のはずです。身内に協力者を募り、できないのであれば問題に関わらないようにしましょう。

もうすでに介護をされている方は、「別居をする」ことが最適ではないかといえます。強硬手段にはなりますが、長年協力のそぶりも見せない相手を変えるのは難しいです。

そのため、「旦那がやらざるをえない状況を作る」といった意味で、少し距離をおいてはいかがでしょうか。別居と言わずとも、旅行や実家への帰省など、口実をつくって家を数日間あける状況をつくるのです。

実際に介護を経験することで、介護の苦労を身に染みて感じてもらえるかもしれません。

でも自分がいなければ…、と気負わないでください。

あなたにそれを背負う責任はありません。

義実家の介護を少しでも楽にする方法!

24時間休む間もなく、誰かの生活を支えることは大抵の人には不可能です。

介護のストレスによってあなたが最悪の状態になる前に、少しでも楽になるようなアイデアをお伝えしていきます。

公的にサポートしてもらえる期間や、相談できる場所もお伝えするので、検討してみてください。

介護疲れ楽にするアイデア。溜まったストレスの解消法!

介護疲れの軽減に必要なのは、とにかく介護生活から距離をおくことです。

自分の生活をそれに全部費やせば、辛くなるのは当然です。そう言った観点で、介護に離れるのに取れる方法・機関を紹介します。

介護ヘルパーに頼む

困ったらとにかくプロに頼みましょう。現在は、介護保険制度によってヘルパーも低料金で利用できます。

日中はデイサービスに預けられます。

介護では徘徊や転倒補助など、本人の生死に関わる事情もあります。知識のある人に協力してもらうということで、最も信頼できる手段になります。

市役所、地域包括支援センターに相談をする

親の所在地を担当する市役所や地域包括支援センターへ連絡をとりましょう。

地域の市役所の介護保険課・高齢者福祉課などでは、介護保険制度や保健福祉に関する相談をうけつけています。地域包括支援センターは「地域に住む高齢者をサポートする公的機関」です。

社会福祉士やケアマネジャーといった、専門知識を持った職員が相談にのってくれます。

病院などの医療機関

病院に入院している場合は、医療ソーシャルワーカーに相談ができます。

医療ソーシャルワーカーは、患者やその家族が抱える心理的・経済的な問題に対して、情報提供や協力をしてくれます。介護でいえば、介護保険制度や、退院後の介護生活についても相談できます。

地域包括支援センターや介護保険課の住所や連絡先は、住んでいる地区町村のホームページなどで確認できるので、困った時はなるべく早く相談してみてくださいね。

まとめ

ここまで読んで頂きありがとうございました。

以上が、義実家との介護問題が起こった場合の解決法です。最後にこの記事の要点をまとめていきましょう。

 

  • 介護問題において法律上介護の責任があるのは実子兄弟のため、離婚の正当な理由になる。
  • 介護による離婚には、協議離婚で相手の合意を得ることが必要。
  • 介護をする場合は一人で抱え込まず、身内や公的な機関からサポートをうけることが大事。

介護問題は、当人だけでなく周囲の協力がなければ乗り越えられない問題です。

もちろんずっとお世話になっていたという理由で、介護をされている方もみえますし、それは素晴らしいことです。

しかしだからといって「介護をしたくない」というあなたの思いが否定されることはありません。

人には人の価値観があります。

もし介護が出来ず、離婚を視野に入れ始めた時。
もし介護を始めて、自分だけではどうにもならなくなった時。

この記事を参考にしていただければ幸いです。

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