「いきなり老人ホームから退去してほしいと連絡がきた!」
「親が老人ホームにはいっているけれど、よくトラブルを起こすから心配…」
この記事を読んでくださっているあなたも、このような疑問をお持ちではありませんか?
私自身、両親とは近距離で別居中ですが、介護が必要になったときは老人ホームに入居させる予定で動いています。
しかし両親ともクセのある人なので、老人ホームでトラブルを起こして「退去してください!」とならないか心配でたまりません。
今回この記事で紹介する退去勧告されたときの対処方法を知れば、困っているあなたの悩みを解決する糸口がみつかるはずです。
この記事では以下3つのポイントを動画や体験談を交えて解説します。
- 老人ホームのトラブル事例5選!
- 老人ホームから退去について相談があった場合の対処方法・相談先は?
- 親は自分が原因だと認識していない!どう伝える?
退去勧告されてしまってもパニックにならないように、この記事の対処方法で一緒に問題を解決していきましょう。
老人ホームのトラブル事例5選! その1:他の入居者に暴言や暴力
集団で生活することになるため、どうしても避けられないのが他人とのトラブル。
どんなトラブルが退去勧告されるまでになるのかをみていきます。
環境が変わったストレスから
生活環境がかわったことでテレビの音やしゃべり声が気になってしまい、そのクレームから暴言や暴力に発展する場合があります。
ほかの入居者や職員等に危険を及ぼすおそれが高いと判断されれば、退去勧告されてしまうのです。
いじめが原因でトラブルに
集団生活が必要な老人ホームでもいじめがあります。
お金の貸し借りや家庭環境への嫉妬などから、陰口を言われたり、仲間外れにされてしまうのです。
いじめによるストレスが原因となって、暴力や暴言などの問題に発展。
いくらいじめが原因でも、暴力や暴言はほかの入居者や職員に危害が及ぶと考えられ、老人ホームとしても退去勧告せざる得なくなります。
老人ホームのトラブル事例5選! その2:サービスへの不満
入居してみたら、おもっていたサービスをうけられない!という不満から退去勧告につながるケースがあります。
体調が悪くてブザーを押しても人が全然来てくれない・・・
その施設でおこなえる以上サービスを求めすぎた結果、退去勧告されることがあります。
体調が悪いときなど、すぐにきてほしいと思う気持ちはわかります。
老人ホームによってはひとりで3人の入居者の世話をしなければならない場合もあり、すぐには行くことができないのが現状です。
そのことを説明しても、すぐにきてくれない職員に対して暴言や迷惑行為をしてしまうケースがあり、ルールや指示を守れないとして退去勧告されてしまう場合があります。
お風呂を毎日入るのは有料なの!?
入浴介助は週4回以上から有料としているところが多く、有料になるとだいたい1回2,000円、毎日入るとしたら週に追加で6,000円もかかってしまいます。
そのほかにも通院や買い物代行といった日常生活の補助や、ホーム内レクリエーションの参加費用など快適なホーム生活を望めば望むほど費用がかかってしまうのが現実です。
支払える金額の上限をこえてしまい、支払うことができず退去勧告されてしまいます。
老人ホームのトラブル事例5選! その3:入居してから病状が悪化してしまった!
入居前にはなかった病気や、病状が悪化してしまったときに退去勧告されることがあります。
たん吸引などの医療措置が必要になってしまった
老人ホームでは医師や看護師が24時間体制で配置されているわけではありません。
たん吸引や胃瘻、褥瘡、経管栄養といった医療処置が必要な場合は、対応できない場合がほとんどです。
医療行為が長期間必要となった場合は、対応可能な施設への転居を求められるため退去勧告されてしまいます。
認知症が悪化!ホームでみるのは難しいといわれた
認知症が悪化すると、幻覚や妄想によってほかの入居者ともめてしまうことが増えます。
なかには、入居中の親が認知症を悪化させたことで別の入居者の部屋に入ってトラブルになり、みることが難しいと退去勧告された人も。
認知症の悪化による迷惑行為が原因となって、このように退去勧告されるケースがあるのです。
老人ホームのトラブル5選! その4:予期せぬ入院
入院中に新たな病気がみつかった場合や、手術後の経過がよくなかったなどの理由で入院期間が長引きそうなときは注意が必要です。
3ヶ月以上の入院は退去勧告の対象になる
多くの老人ホームでは、契約書に[3ヵ月以上入院した場合は退去勧告をする]と記載されています。
3ヶ月以上の入院になると、ホームへの復帰が困難と判断されてしまうからです。
入院が長引きそうなときは他のホームを探すなど、はやめに対応していきましょう。
入院中は二重支払いが発生
入院すれば、入院費と老人ホームの両方に支払いが発生します。
入院する機会が多ければ、そのたびに二重支払いが発生してしまいます。
入居中に入院した場合には、通常、特別養護老人ホームなどでは「居住費」、民間施設では「食費以外」を継続して支払う必要があります。民間施設の中には、入院中の洗濯物などの世話を行うところもありますが、いずれにせよ入院費用と施設費用が二重にかかる厳しい状況となります。
出典元 大田差惠子 高齢者施設 お金 選び方 入居の流れ がわかる本 第2版 P110、P111より
※引用した本は、Amazonで購入することができます。
このように、入居している施設によっては「食費以外」のすべてを支払わなければならないので、支払いできず退去勧告されてしまう場合があるのです。
老人ホームのトラブル5選! その5:老人ホームが経営悪化で値上げ、閉鎖!?
老人ホーム側の経営状況が原因で、退去勧告されてしまうことがあります。
一方的に値上げされた
経営悪化を理由に、いきなり値上げされる場合があります。
なかには家賃を4万円もひきあげられた人も。
老後 無計画に親を有料の老人ホームに入れて大後悔した理由とは? 【ユアライフアップガイド】
このように親が支払えない金額を自分が支払う場合、長期になれば予想をはるかに超えた金額になっていくのがわかります。
経営悪化による値上げで長期的な支払いが困難になれば、退去勧告されてしまいます。
経営不振で閉鎖
老人ホームでも、経営できなくなれば閉鎖となる場合があります。
見学でわかる!~経営が危ない老人ホームの見分け方~
介護のお悩み解決チャンネル
経営不振による閉鎖はほとんどないことですが、絶対にないわけではないので閉鎖となれば退去しなければなりません。
老人ホームから退去についての相談があった場合の対処方法・相談先は?
せっかく入所した老人ホームからの退去勧告は、簡単には納得できないかもしれません。
そのような場合に相談できる、代表的な機関や窓口は以下の3つです。
- 契約書に記載されている苦情対応窓口
社団法人全国有料老人ホーム協会など(ホームが加盟している場合)
- 市町村役場などの介護福祉課の苦情相談窓口
市町村などの自治体は、介護保険施設の指定を取り消すこともできる
- 各都道府県の国保連(国民健康保険団体連合会)
介護サービス事業者に対し、調査・指導・助言をすることができる
当事者ではない客観的な立場から、対処方法をアドバイスしてもらえます。
強い味方になってもらえるので、トラブルがあったときには相談してみましょう。
親は自分が原因だと認識していない!どう伝える?
親が原因だからといって、ただ怒ったり注意するだけでは解決しません。
どうして退去となるような行動をしたのか把握するためにも、老人ホームにかよって顔をみながら日常生活の話を聞いてあげましょう。
思いこみが強い人やひとりよがりなところがある人は、とくに注意深く見守る必要があります。
時間をみつけてこまめに施設にかよい、話を聞いてあげてください。
話を聞いたうえで不満に思っていることや迷惑をかけるような行動をしている場合は、「このままでは施設から退去勧告されてしまうよ」と説明し、そうならないために「ここは我慢してほしい」「それは相手の迷惑になるから絶対してはだめだよ」と、根気強く説得していきましょう。
我慢ばかりじゃ親もストレスがたまってしまいます。
時間がとれるときには、「大変だったね、来週は美味しい物を食べにいこう!」「久しぶりに服でも買いにいこう」など、親が楽しいと思える提案をしてあげることも忘れずに。
こまめに施設にかよってトラブルに発展しそうな原因を把握し、早い段階から説明や説得をすることと、我慢してもらうためにも親と一緒に出かける機会をつくってあげることが大事ですね。
まとめ
ここでわかりやすく要点をまとめてみました。
老人ホームのトラブル事例5選! その1:他の入居者に暴言や暴力
- 環境が変わったストレスから
- いじめにあっていた
老人ホームのトラブル事例5選! その2:サービスへの不満
- 体調が悪くてブザーを押しても人が全然きてくれない…
- お風呂を毎日入るのは有料なの!?
老人ホームのトラブル事例5選! その3:入居してから病状が悪化してしまった!
- たん吸引などの医療処置が必要になってしまった
- 認知症が悪化!ホームでみるのは難しいといわれた
老人ホームのトラブル事例5選! その4:予期せぬ入院
- 3ヶ月以上の入院は退去勧告の対象になる
- 入院中は二重支払いが発生
老人ホームのトラブル事例5選! その5:老人ホームが経営悪化で値上げ、閉鎖!?
- 一方的に値上げされた
- 経営不振で閉鎖
老人ホームから退去について相談があった場合の対処方法・相談先は?
以下の機関や窓口に相談して、対処法のアドバイスをしてもらう
- 契約書に記載されている苦情対応窓口(社団法人全国有料老人ホーム協会など)
- 市町村役場などの介護福祉課の苦情相談窓口
- 各都道府県の国保連(国民健康保険団体連合会)
親は自分が原因だと認識していない!どう伝える?
- できるだけ施設にかよって、話をきくことで原因をさぐる
- 不満や問題行動があれば、「このままでは退去勧告される」と説明し、根気強く説得していく
- 普段我慢してもらうためにも、時間を作って親とランチやショッピングなどにでかける
老人ホームとの契約は終身入居を確約するものではないので、事前に退去要件をきちんと確認しておくことが大事です。
老人ホームに入居してからも、親との関わりをもち、変化やストレスをしっかり把握することがトラブル回避にもつながります。
施設を変えることを検討している場合には、こちらのサイトで老人ホームの相談や資料請求をすることができます。
中立的な立場から利用者にあった施設のアドバイスをしてくれます。
気になる施設があれば、資料請求して予期せぬ事態に備えておきましょう。
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