働き盛りの40代、それぞれ悩みはあると思いますが、皆さん避けて通ることが出来ないのは年老いた親についての悩みではないでしょうか。
特に、一人暮らしをされているお父さんがいらっしゃると、心配ですよね。
何かあった時が心配だから親孝行もかねて同居をしているという方、あるいは同居を考えている方、実のところはお父さんとのコミュニケーションに悩みを抱えていませんか?
中でも、義理のお父さんが相手だと、自分の父親以上に接し方が難しいと感じている人は多いはずです。
この記事では、義理の父親と同居をしていくうえでのポイントをお伝えしていきます!
年老いた親との付き合い方「義理の父親編」
父親は年老いるとどのように変化する?
まず、高齢になると人の身体や精神にどのような変化があらわれるのか、一般的に言われているポイントを一緒に確認しましょう。
- 身体能力の低下
- ストレス耐性の低下
- 頑固になる
1.身体能力の低下
40代で既に、「若いときに比べると体力が落ちたな」と感じている方もいらっしゃると思いますが、更に年齢を重ねると身体能力の低下がより著しくなります。
足腰が弱る、背中が曲がるなど目に見えてわかるもの以外に、目が見えにくくなる、耳が聴こえにくくなるといった五感に影響がでるものも一般的です。
この、目が見えにくい、耳が聴こえにくいというのは高齢者の多くに見られるため、われわれ若い世代には「そうたいした問題ではない」と感じてしまいがちです。
しかし、この目や耳の機能が衰えていることは、本人にとっては非常にショックなのです。
特に、会話が聞こえないこと、会話が成立しないことはストレスにつながります。
2.ストレス耐性の低下
前の項目であげた「身体能力の低下」が要因のひとつになります。
老いならではの理由が多く、想像するだけではなかなか共感が難しいものです。
例えば、若いときのように身体が思い通りにいかないことや、周囲の人から衰えを指摘や批判されることによって、自分自身がいやになると感じる方が多いのです。
この経験が積み重なることでストレスが蓄積され、うつ病になったり、逆に攻撃的になったりすることがあります。
3.頑固になる
配偶者が、父親のことを「年を取って頑固になった」と言っていたことはありませんか?
一般的に、男性は老齢になるにつれて保守的であったり、疑り深くなったりする傾向にあります。
この考え方が保守的傾向になるという背景には、「年を取ったことによって新しいことが覚えにくくなり、過去に学び身についていたもののほうがやりやすい」という理由があげられます。
また、新しいことを覚えるのもエネルギーが必要ですし、失敗をおそれていることも要因のひとつです。
特に、義理の父親が現役で働いていたころの日本社会は、「男性はわき目もふらず仕事に打ち込み、大黒柱として家族を支える」という価値観が広く浸透していました。
その「一家の大黒柱としての自尊心」が強く根付いているため家族の前で失敗をすることが許せず、自尊心を守るために頑固になる男性が多くいます。
なぜ年老いた義理の父親とのコミュニケーションや同居が難しくなる?
なぜコミュニケーションが難しくなる?
コミュニケーションが難しくなってしまう理由について、代表的なものをあげます。
- 聴力の衰えによる会話の不成立
- 認知症
- 義理の父親に対して抱いていた像とのギャップ
まず、聴力の衰えや認知症など、身体的な機能の低下が原因となるものが考えられますよね。
聴力の衰えによる会話の不成立
前の項目「父親は年老いるとどのように変化する?」でもお伝えしましたが、耳が遠くなることは父親本人にとってもストレスなのです。
また、耳が遠い相手への対応として、大きな声を出して話すようにする人は多いはずです。
しかし、この対応では上手くいかない場合もあるので注意が必要です。
耳が遠いといっても、その状況は人によってさまざまです。
もちろん、聞き取れている声量が少ない人もいれば、特定の音が聞き取りにくいという人もいます。
後者の場合は音量の問題ではないので、大きい声を出すことがかえってうるさく感じてしまう人もいます。
認知症
認知症によってコミュニケーションが難しくなるケースは多くあります。
何度も同じ説明をする必要があったり、伝えたことを理解してくれていなかったり、忘れられている場合もあります。
話をする側に根気が求められてしまうため、長くやり取りをしているとストレスに感じる方が多いです。
義理の父親に対して抱いていた像とのギャップ
これは、義理の父親と出会ったときの印象や、配偶者から聞いたエピソードなどからつくりあげられた、いわば「理想の義父像」が影響していることもあります。
相手によって抱いていた印象というのは「優しい」 とか 「厳格」など人によって違いますが、今まで持ち続けていたイメージと、老齢になり変化した現在の義父とのギャップをうまく埋めることができないというケースは多くあります。
似たようなことは実の親子の間でも起こります。
子供の「親はいつまでも親らしくあってほしい」という理想や、育ててくれた当時のイメージがぬぐえずに、年老いた親と話が通じなくてイライラするという例を聞いたことはありませんか?
実の親子間でさえコミュニケーションが上手くいかないことがあるのですから、他人から家族になった義理の親と接することが難しいのは当然だと思ってください。
まずは、何が原因なのか、現状を冷静に見つめ直すことが大切ですよ。
同居でもストレスになる?
結論から言うと、ストレスになり得ます。
相手が老齢であるがゆえの接し方をしなければならないなど、気をつかうことでストレスになるものも十分あります。
ただ、それ以前に義理の親に対する、言いたいことの全てを言えない、我慢する必要があることや、生活リズムや価値観の相違もストレスにつながります。
しかし、ストレスになり得るからといって、同居を解消するのは現実的でない。
さすがに、高齢の義理の父にたいして今さら一人暮らしはさせられない…。
そんなふうに、ご自身と義理の父親の幸せの間で、悩んでいる方は多いですよね。
ここからは、幸せに同居生活をするためのコツをお伝えしていきます。
年老いた義理の父親との上手なコミュニケーション・同居方法は?
上手なコミュニケーションは?
顔を見て会話する
時間的な余裕がある場合は、顔全体が互いに見えるように会話すると円滑にコミュニケーションができます。
お互いの顔が向き合っていると「自分の話をしっかり聞いてもらえている」と感じるので、安心感を与え気分もよくなりスムーズに会話できます。
間を取って会話する
会話の中でイライラしたときは、一度席を外すなど時間を置いてくだい。
このように間を取ることで時間が解決してくれ、自然と冷静になることができます。
上手な同居方法は?
ルール決めやルーティン化
同じ屋根の下で生活をする以上、ある程度ルールを定めておくのがいいでしょう。
特に2世帯住宅ではなく、キッチン・お風呂共用であればなおのことです。
例えば、お風呂を使う時間帯や、食事のタイミングなど。
実践できそうな範囲で、最低限ルール化しておくと、日々のストレスが少し軽減できるはずです。
プライベートスペースの確保
同じ家で暮らしていると共用スペースが多いですから、イライラしてしまったときや口喧嘩をしてしまったときなど、逃げる場所が少ないですよね。
こうしたとき、寝室に小さいテレビを置いておくだけでも、自分たちだけでくつろげる場所を確保できます。
言いにくいことは実子の口から伝えてもらう
たとえば、生活するうえでどうしても直してもらいたい点など、大事な話だけど自分からは言いにくいことなどもあるはずです。
そうした内容は、実子である配偶者から伝えてもらうようにしましょう。
生まれてからこれまで築かれてきた信頼関係ができていますから、実子に伝えてもらう方が、お父さんも受け入れやすいですよ
義理の父親にストレスが溜まって限界!ストレス発散方法は?
円満な同居生活を心がけていても、ストレスが溜まってしまうこともありますよね。
そうしたときにおすすめの発散方法と解決策を3つお伝えします。
1.身内や友人に話を聞いてもらう
時には、グチを言ってストレスを発散させるのも大切なことです。
しかし、この時大事なのは話をする相手です。
自身の親、兄弟姉妹の家族か友人に話を聞いてもらってください。
配偶者も身内に入りますが、あなたと義理の父親の板挟みになり悩んでしまうでしょう。
ストレス発散の目的であれば、あなたの肩を持ってくれるような人に聞いてもらうのがベストですよ。
2.自分の好きなことに没頭する時間をつくる
趣味にうちこむことは気分転換にもなります。
また、「今のところ特に趣味がない」という人であれば、外出するだけでも気持ちがかなり変わります。
出かけた先でお気に入りのカフェやお店を見つけて、今後もリフレッシュできるような場所を探してみてください。
3.専門知識がある人に相談する
義理の父親との接し方に思い悩んでいて、状況を改善したい ”どうしたらいいかわからない” という場合には、専門知識がある人に相談してみてください。
最初はまず、地域包括支援センターで話をされることをおすすめします。
地域包括支援センターとは各自治体によって設置されており、高齢者の生活上の困りごとについて総合的に相談に乗ってくれる場所です。
専門知識を持った担当者が対応してくれるため、相談内容に応じて必要なサービスや制度を紹介してくれます。
「家庭内のことを初対面の人に話すのは抵抗がある」そんな気持ちが生じてしまうのも理解できます。
しかし、あなたと家族のためにも、困ったときは早い段階で専門機関に話してみてください。
最後に
ここまで、義理の父親と幸せに同居するためのポイントについてお伝えしてきました。
内容を簡単におさらいしておきましょう。
加齢による親の変化
- 身体能力、ストレス耐性の低下。頑固になるのは自尊心を守るため
上手なコミュニケーション
- 顔を見て話す、 時間を置く
上手な同居方法
- ある程度のルール決め、プライベート空間を確保
ストレス発散もしていきましょう!
- 困ったときは、専門家に相談することも考えてくださいね
読んでみて、「これは実際にやってみよう」と思えるポイントはありましたか?
終わりに、お父さんにとってもお子さんたちと一緒に暮らすことはとても幸せに違いありません。
しかし、今この記事を読んでくださっている「あなたが幸せであること」が何より大切です。
努力しているけど、どうしてもコミュニケーションが難しい、衝突が収まらないというときは離れて暮らすことも選択肢の一つです。
【シニアのあんしん相談室】
こちらのサイトでは、中立的な立場で施設探しの相談から入居までトータルサポートしてくれます。
資料請求は無料でできるので、どのような施設があるのか一度ご覧になってはどうでしょうか。
お父さんと、あなた方家族みなさんが幸せで暮らせるように、いろんな方法を視野に入れることも大切です。
この記事が、これからの生活のヒントとして役に立てれば幸いです。
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