母が老人ホームのお世話になり始めた。
ようやく空きが見つかった施設だけれど、施設の母は「帰りたい」を繰り返し訴えるようになってしまった。
これで、子供の学校のことやパート仕事に打ち込めると思っていたのに、
- お世話になり続けるのは無理なのかな?
- 母の要望に答えるべき?
- 認知症が進んでいるのかな?
- 説得してもいい?
- どう説得すればいい?
40代も後半を迎える頃になると自分の家族と自分の親の問題に板挟みになる。そんな年代でもありますよね?
そんな悩みを持つあなたに、なぜお母さんは帰りたがるのか、どんな言葉で説得すればいいのか、対処法はどうすればいいのかを考えてみました!
きっといい解決方法が見つかります!
施設から帰りたがる母は「帰宅願望」なの?
「帰りたい」を連発するのは認知症における中核症状である見当識障害や記憶障害に起因する症状のひとつで「帰宅願望」と呼ばれています。
自分がいる場所がどこなのか、なぜそこにいるのか、なぜ知らない人といるのか。そんな状況に大変なストレスや不安を感じることが、「帰宅願望」を呼び起こすと考えられています。
ではなぜ「帰りたく」なってしまうのでしょうか?
本当にただ「帰りたい」だけなのでしょうか?
帰りたい理由を考えてみます!
帰宅願望で施設から帰りたがる理由1:環境の変化に対する不安や恐怖
それまでとは違う慣れない環境に、とまどい、落ち着かず、不安、恐怖などで混乱してしまい、強いストレスを感じています。様々な原因から帰宅願望が現れます。
- 同居家族と離れ離れになったことの寂しさ
- 家族から見捨てられたのかもしれないという恐怖
- 知らない人ばかりで気が休まらない
- 夕飯作りや庭仕事など日々のルーティンが出来ないことで落ち着かない
- 戸締りや整理整頓など家そのものが気に掛かる
自分が一人でその場所にいることの理由が理解できずにパニックになっています。
住み慣れた地域や環境からの変化は多くのお年寄りが嫌うことです。認知症の場合は特にその傾向が強まります。
今までの環境で暮らしたいという願望の現れです。
帰宅願望で施設から帰りたがる理由2:そもそも介護を受けたく無い
自分はまだ介護を受けるほど衰えていないと考えている場合もあります。
自分の世話はまだ自分でしたい、できる自信がある場合には、自尊心が邪魔をして介護を受ける自分を認めらません。
認知症によって自分の状況を理解できていないのかもしれませんが、自分の衰えを認められない気持ちは理解できますよね。
帰宅願望で施設から帰りたがる理由3:施設と相性が悪い
施設そのものや職員さんとの相性が悪い場合もあります。
- 施設の食事が口に合わない
- 行動が管理されることが嫌
- 気が合わない、嫌いな職員さんがいる
- 気が合わない、嫌いな入居者がいる
- 気の合う人が見つからず孤独
人と人との共同生活ですから、お年寄りであろうと認知症であろうと相性が合わない場合があるのは当然です。
その解決方法として「帰る」選択をすることは当然かもしれません。
施設から帰りたがる母の対処法は?どのように説得する?
様々な理由から「帰りたがる」お母さん。
だからといって、在宅介護は無理がある。なんとか施設での生活を受け入れてもらうためにはどうすればいいでしょう。「帰宅願望」といってもその背景は様々な理由が推測されます。
まずはどんな理由で帰りたがっているのかを、じっくりと本人から聞いてみることが必要です!
ひとつひとつの理由に明確に答えを示してあげましょう。
- 家族と離れて寂しい ➜ 時間の許す限り面会に来ることを伝える
- 見捨てられた? ➜ 家族で介護をすることは限界であることを伝える
(仕事に出る時間が必要。子供の世話に時間が必要など)
- 日々のルーティンがしたい ➜ 施設の中で代わりにできる事はないか?
- 家そのものの心配 ➜ 私が代わりにやっておくと伝える
(家を処分しているなら説明する)
- 介護は受けたく無い ➜ 自分だけで暮らす事は無理であることを説明する
など、症状にもよりますが何度も同じ理由で帰りたがったとしても、その都度同じ説明をしてください。
一番してはいけない事は「嘘」と「ごまかし」「はぐらかし」です。
なぜなら、それが伝わってしまうと不安と不信につながるからです。帰りたい欲求に拍車をかけることになりかねません!
母親が帰りたがっているのを見るのはつらいですよね?気持ちが折れそうになりますよね?それでもホームにお世話になる決断をしたのは、そのタイミングだったからなのです。
罪悪感は必要ではないですよ。ホームで過ごしてもらうために、真摯に根気よく帰れない理由を説明してください。
そしてなによりも本人が少しでもホームで居心地よく過ごせる方法を考えましょう!結局はそれがお母さんにもあなたにもあなたの家族にも一番幸せなのです!
まとめ
ここまで「帰宅願望」と呼ばれる症状には様々な背景が推測されることを考えてみました。まとめてみます。
- 帰りたいと繰り返し訴える「帰宅願望」は認知症の症状の一つ
- 帰りたがる理由には様々な背景が考えられる
- 環境の変化がストレスになり「帰宅願望」に
- 介護を受ける自分を認められないことが「帰宅願望に」
- そもそも施設が合っていない
- 真摯に説得することが重要
- ホームにお世話になることが皆の幸せにつながる!
最後になりますが、あなたの努力でお母さんがホームで過ごすことを受け入れてくれるならいう事はありません。しかしながらホームで過ごすという事は、お母さんと過ごす時間のほとんどは、あなたよりホームの職員さんであり、ヘルパーさんです。
そもそもホームとお母さんの相性が悪いのならば、あなたの努力では解決に向かわないこともあるはずです。
そんな時はホームを変えてみることも手段かもしれません。
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ここまで書いたことがあなたとお母さんの介護への一助になれば幸いです。
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