過干渉の母親と無関心な父親、まさに私はこのような家庭で育ちました。
「機能不全家族」のお手本そのものの家庭です。母親が多くの事に口や手を出し、私の意思は無視です。敷かれたレールの上を歩き、間違えようなら怒号や時には手が飛んできます。その光景を目の前で見ていても父親はこちらに見向きもしませんでした。
今なら「虐待」とされることも、昭和の時代は「しつけの一貫」でした。
小学生の頃、母のいき過ぎた「しつけ」に父に助けを求めた事もありましたが、「俺に言うな」と言われました。
今も実母との関係性は良くなく実家に帰ることもほとんどなく連絡をすることもありません。
この記事にたどり着いた方も、私と同じ境遇で悩み、苦しみ、どのようにすれば両親と関係を築けるのかと考えているのではないのでしょうか?同じ境遇だからこそ、悩みを解決できればと思います。
具体的にどのようなことが過干渉の母親と無関心な父親なのか、子供に与える影響はどのようなものなのかを実体験を交えて書いて行きますので、ぜひ読んでください。
過干渉の母親になってしまう原因は?
まずはじめに「過干渉」とは子供の意思を尊重せずに自分の「支配下」におき、なにをするにも手出し、口出しすることを言います。行動の制限をすることも過干渉に当てはまります。
過保護と過干渉となにが違うの?かというのを簡単に説明します。
過保護とは子供が望んでいることを何でも与えてしまうこと。過干渉とは子供が望んでもいないことを先回りしてやってしまうこと。子供の意思があるか、ないかで意味合いが変わってきます。
なぜこのような母親になってしまうのか?
- 子供がとにかく大切で心配で子供にすべてを注いでしまう。
- 同じように過干渉に育てられたのでそれが当たり前という感覚しかない。
- 仕事などのストレス解消のために矛先が子供に向かう。
子供がとにかく大切で心配で子供にすべてを注いでしまう
もちろん我が子が大切で心配なのはどの親も同じ気持ちですが、このタイプの母親は自分と子供は一心同体だと考えています。
我が子を「信用」することができず、ネガティブなことばかりを考えてしまい、先回りして危険回避をしてしまい「こんなに子供を愛している」と自己満足と優越感に浸っているだけなのです。
母親自身の自己肯定感の低さから子供が全てとなってしまいます。
同じように過干渉に育てられたのでそれが当たり前という感覚しかない。
親の背中を見て子は育つといいますね。
子供は親がやっていることが当たり前でそれが常識だと思って育ちますので、自分が親になったときに同じことを我が子にもしてしまいます。
「負の連鎖」です。
仕事などのストレス解消のために矛先が子供に向かう。
今では共働き家庭が多いですが、1970年代から1980年代に生まれた子供は今のようにフルタイムで働く母親が少ない時代でした。
その頃に共働き家庭で育った子供は「お母さんが仕事していて可哀想ね」と思われていました。
そのため母親は子供にも必死になります。
子供に対して「勉強はできなくてはいけない」「しつけをきちんとしなければいけない」と自分が恥ずかしくないように世間体を気にします。
私の母親がこのタイプでした。
「勉強はできなければならない」「遊んでばかりいるんじゃない!」と塾や英会話や剣道と習い事を勝手に決めてきました。
過干渉の母親の行動・特徴5選
①子供が話し始める前に話し出す。話を遮る
子供が聞かれた質問に先に母親が答えてしまい、子供が話す機会を与えない。
②子供の意見や進路を尊重しない
親が考える全うな人生を子供に歩んで欲しいという意識が強いため、進学の進路や部活等を「〇〇にしなさい」と親の意見を押し付けて決めてしまう。
③人間関係や交友関係を勝手に決める
「あの子はマナーがなっていないから付き合うのを止めなさい」など見た目や噂、一方的な主観で交友関係を制限したり止めさせる。
④子供の好きなものを否定する
子供が好きで選んだ物などを否定した上で別も物を押し付ける。
例えば「マンガが好き」という子供に「そんなものを読んでないで小説を読みなさい」
⑤褒めず問題点ばかりを指摘する
子供がテストで80点を取った用紙を見せたのに、「〇〇を間違えなかったら90点を取れてたね」などと指摘し続け、頑張った成果を褒めない。
私は母親から褒められたことがありません。
私の交友関係に口を出し、私が自分の意見を言うと「反抗」と受け取られ手をあげられました。
高校生になっても門限は17時、休みの日に友達と遊びに行くこともできずに、家の固定電話に友達から電話が来ても勝手に切られてしまいました。
ツイッターでも過干渉の母親について記載されていますのでご紹介します。
↓母親もこんな感じだった・・・こうやって過保護過干渉支配されて育ってきたが、でもそうはいうも嫌と思うことは反発しといっても母親に内緒や言うこと聞かず出来ることなら強制に我が道を行っていたこともあったがでもほとんどは母親の悪い言いなりに育ってきたから変に心が歪んでしまっている・・・
— メンタル now diary (@blueskytown) May 29, 2021
→
からは離脱出来ない。あとは、この両親から利用されるだけだ。
あと、過干渉してくる親はツンデレの使い方が匠だ。
特徴としては、支配下に置けないとわかると必ず攻撃してくる。
そして、悲しい事に。子供のためと言いながらも。その結果は必ず御自分(母親)を最優先した結果となっている事。
— kiyoyo-1/f (@Paraivamarine18) May 30, 2021
母親の過干渉が嫌すぎて言い合いになった。いつまでも子供やと思って信用されてない。
— らん (@ranran_oooo) May 31, 2021
無関心な父親になってしまう原因は?
外や仕事では意欲的に動くが、家に帰った後・休日になると急に無気力になり、家の事はもちろん子供の事にも無関心になる父親の原因をいくつかあげていきたいと思います。
①仕事で疲弊している・時間がない
毎日遅くまで仕事していて、休みもほとんどなく疲れ切っているため子育てしようにも無理が生じている。
②子供との接し方が分からない
子供が小さい頃から接して来なかったため、子供との関わり方が分からない。
気付いた時は遅く、ますます消極的になる。
③妻の役割だと思っている
「男は外で働きお金を稼ぎ・女は家で家事育児ををする」と思っているので子供が泣いていようが妻が家事大で変な状況であろうが、自分の役割ではないと思っているので無関心。
④夫の意見ややり方を否定された
家事や子育てに参加しようと、夫なりに考え、工夫しようとします。
しかし、当然ながら妻に比べると経験もスキルも低い、その結果が満足なものではないことを、妻から否定された場合、自尊心が傷つきその後の参加意欲が消極的になる。
⑤「ママの方がいい」
たまに気が向いて子供と遊んだり・関わろうとすると「ママの方がいい」と拒否されたので、諦めその後消極的になってしまう。
夫が無関心になる原因のまとめとしては、
- 「考え方が古い」
- 「参加したいけど分からない」
- 「妻・子供から拒否された経験」
参加意欲がなかった訳ではないが、成功しなかった経験や素直に妻に聞けなかった状態のまま今に至ることが原因であるかもしれません。
私の父は父親も妻である私の母親の支配下にあったので、意見をいうとヒステリーを起こしていたので妻にも子供にも関わりたくなかったのかも知れません。
無関心な父親の行動・特徴5選
①子供を無視または受け入れようとしない
- 子供と目を合わせなかったり、話しかけても泣いていても無視をする。
- 子供が作ったプレゼントをそのまま放置、子供の発表や披露する機会を見ようとしない。
②子供の相手や世話をしない
- 食事の世話、お風呂、着替え、オムツなどの世話をしない。
- 子供と一緒に遊んだりせず、連れ出すこともしない。
- 話しかけても「後でね」や「ママに言ってね」等と逃れようとする。
③無責任な行動や態度、発言が目立つ
- 休日の生活ペースを家族と合わせずマイペース(昼間で寝ていて、起きてもゲームやスマホをイジってばかり)
- 1人で楽しむ行動を優先する(飲み会やギャンブル、趣味)
- 気分が乗る時だけ子供と関わろうとして、泣かれたりするとすぐに妻に丸投げをする。
- 「自由に1人の時間が欲しいや自由に遊びに行きたい」等と発言。
④子供への配慮や安全性に欠ける
- 常に自分本位で子供への配慮がない、子供がやりたい遊びに合わせない。
- 子供が寝ていても気にせずテレビやゲーム、音楽の音がうるさい
- 旅行の計画の際、子供が食べられないものや楽しめない場所、お子供を連れて行くと周りに迷惑を掛けてしまう所へ行こうとする。
- ゲームやスマホに夢中で、子供から目を離す。
- 子供が真似すると危険な事を子供の目の前でする
⑤子供と「張り合う」「意地悪をする」「キレる」
- 大人気なく子供と言い張ったり、本気で喧嘩をする。
- テレビのチャンネルなどで本気で争う。
- 子供にわざと物をぶつけたり、わざと叩いたり、怖がらせる。
- 子供が泣こうが嫌がろうが、執拗に嫌がることを続ける。
- 妻は子供を最優先に考えるために、子供の都合で自分の行きたい場所や食べたいものなど希望が叶えられず怒る。
よくあるパターンとして夫がキレて子供に当たり、子供が泣くと「泣くな」と怒り、子供が更に泣くと収集がつかなくなり今度は妻に「早く黙らせろ」等と暴言を吐く…。
ツイッターでも無関心な父親について記載されていますのでご紹介します。
この部分にハッとした…
"『ドラえもん』が苦手なんです。正直あまり見られない。
執拗にのび太を叱る母親と、無関心な父親っていう家庭環境がひどすぎて、学校ではバカにされて、放課後はジャイアンとスネ夫にいじめられる。
ドラえもんがいなかったらのび太は生きていけないじゃないかと思う"
— はあちゅう (@ha_chu) March 4, 2021
過干渉母親と無関心父親から無気力ニートが誕生するまで
①過干渉ヒステリック学歴主義母親の価値観の元、「いい子」に育つように教育される。過干渉と否定により母親の思い通りに誘導され、主体性のない人間になる。父親は家庭に無関心なので、母親の影響のみが子供に大きく伝わる。— ゆるふわ無職 (@yrfwmsk) January 22, 2021
過干渉の母親と無関心な父親に育てられられた子供はどうなる?
過干渉な母と無関心な父の状況下で育った子供にはどのような影響が生まれるのか?
①子供の主体性が無くなる
親にコントロールされて育っている為、自分で判断し行動することや計画を立てれず、指示があるまで動かないようになる。
失敗を恐れて積極性に乏しく、感情を上手く表現できない。そのため、好奇心が生まれず、興味の範囲が狭い。
②人とのコミュニケーションが上手く取れない・構築できない
自己評価が低く、他人の評価を気にしてしまう為、他人の意見を尊重したり他人に心を開けない。
特に学校等の集団生活に順応出来ず、馴染めなかったり萎縮した態度を取ってしまう。他人の好意が本当かどうか試す行動を繰り返してしまう。
③自己評価が限りなく低くなる
- 親か否定されて育ってきた結果、「自分は価値のない人間」だと思ってしまう。
- 「〇〇じゃなきゃダメだ」と自己否定や極端な思考や白黒を付けようとする。
- 自分が楽しいことや幸福を感じる事に罪悪感を感じるようになる。
この様に過干渉によって、人格形成や性格に大きく影響を与える可能性があります。
母親が子供に対して過干渉であるのに、とがめるはずの父親が無関心であるから放置となり母親の過干渉の状況が改善することは非常に難しくなります。
私が上記に記載したような状態で今にいたります。
自己肯定感が限りなく低く、親子での愛着関係が築けなかったので、夫に対しても素直に甘える事ができません。
過干渉の母親と無関心な父親への対処法は?
過干渉な母親への対応
過干渉になる母親の多くは、子供を意のままにコントロールしようと否定や批判を繰り返します。その結果、子供が従うようになりそれが母親の成功体験となるのです。
過干渉な母親への対応はその逆、母親の成功体験を失敗体験に変えること重要となります。
つまり「この子は何を言っても効果がないから、諦めるしかない」この状況を作ること。
①母親の許可を取らない
行動を起こすのに毎回母親の許可が必要な環境が好ましくありません。
あなたの意思で「やりたいことをやる、やりたくないことはやらない」と自立した行動を母親に示していくことが大事です。
極端な話、友達の家に泊まる際、事前に許可を得ずに遊びに行くことを伝えて、勝手に泊まりに行きましょう。
頃合いをみて「今日は友達のところに泊まる」とだけ伝えるだけ。
私は、自分の意思で動くのでコントロール出来ないと行動で示すのです。
②自分の気持ちや心情をぶつける
ここでの「ぶつける」とは、はっきりと伝えるという意味です。
過干渉な母親が自分の意見を押し付けて、子供が何も反論もしてこないと分かると自分の意見が正しく、さらにエスカレートしていきます。
ましてや、子供が傷ついている事や子供の心情を考えません。
母親によって傷つけられているのであれば、はっきりと「私は傷ついている」「本当に嫌な思いをして辛い」と伝えるべきです。
そこで初めて、母親に子供の「気持ち」「心情」の情報が入り、気付きに繋がります。
③母親に分かってもらわなくて良い
母親が自分の過干渉に気付かないうちは、否定しかされません。
当然、時が来るまで分かってもらえません。
わかってもらうように伝えたり、喧嘩をしても時間や労力の無駄となるので、そこに力を注ぐ必要性はありませんので、自分のやりたいことに時間や労力を注いだほうが効果的です。
④曖昧にはせずに線引を行う
子供は母親の一部では無いし、母親も子供の一部ではありません。それぞれ別の個人であり、共存や依存で成り立ってはいません。母は母、子供は子供それぞれ自立する必要があります。
母親から「〇〇しなかったらどうするの?いつやるの?」と理不尽な要求をしてくる場合、返答を先延ばしにするのではなく、「やりたくない」「それは私のすることではない!」きっぱりと明確に言うことが必要です。
それでも、わからないようならば「物理的に距離を取る」生活エリアから距離を離す事をおすすめします。
無関心な父親への対応
自分の事を優先して子供に愛情を注ぐことが出来ない「愛情不足の父親」は子供立場からみると、「自分のせいで父親から嫌われている」と感じてしまいます。
決して子供のせいで愛情不足で無関心な父親になったわけではありません。でも、無関心な父親が簡単に変わる事は難しいです。
叱ってくれる人や本気で関わってくれる人は「親」だけではありません。先生や友達、上司や同僚、親でなくても成長をさせてくれる人は居ます。その人との繋がりを一番として大切にしましょう。
過干渉や無関心は毒親の定義にあてはまる?
近年「毒親」という言葉を聞きますよね。
では毒親とはどのような親のことをいうのでしょう?
- 毒親とは…子供に悪影響を与える子育てのことをいいます。
- ネグレクトや暴力(肉体的・暴言・性的)虐待
- モンスターペアレント
親子のバランスが崩れていて、子供に悪影響を及ぼす傾向の強い親のことをいいます。
・毒親の定義…子供を管理して支配下において傷つけたりして、子供にとって「毒」になる親のことをいいます。
さらに、毒親には大きく4つのタイプに分けられます。
①過干渉・統制型
子供の事に関して「心配だから、失敗してほしくないか」という理由で親がすべて先回りし対応しようとしてしまう。
子供の意思や行動を制限して親が思う通りに統制を図る。
②無関心・無視型
子供に対する意識や配慮が無く、「自分がさえ良ければ良い」という自己中心的思考。子供や家族をそっちのけで、個人的スケジュールや遊び・趣味を優先する。
子供に何が起きても、無視や無関心でネグレクトの傾向が強い。
③暴力の肯定型
何か問題が起きた際に、力関係や主従等で解決しようとする。殴る・蹴る等の暴力はもちろん、暴言等の言葉の暴力も含まれる。
結果的には子供を精神的に肉体的に追い詰め、子供への虐待となりえる。
④精神疾患型
激しい思い込みや・事実を自分の都合よく解釈をしてしまい、子供に対して言いがかりを付けたり、都合の良い解釈で責め立ててしまう。
精神疾患が原因ではあるが、イライラや不快感を弱い立場の子供にぶつけてしまう。
以上のように、今回のテーマである「過干渉」「無関心」に関しても両者共に「毒親」であると言えるようです。
最後に
現在、「毒親」に悩んで苦しんでいるのなら。
ネグレクトや虐待を見かけたり、疑いがあるのなら。
まず、近くの友人や先生に相談をしましょう。
もし、悩んで苦しんでいるが相談出来る人が近くに居ないのなら「相談窓口」の利用をおすすめします。厚生労働省の福祉政策として設けている相談窓口があります。
電話相談窓口
電話をかけた所在地の都道府県・政令指定都市が実施している公的な相談窓口につながる全国共通ダイヤル
1.こころの健康相談統一ダイヤル (0570-064-556)
電話をかけた所在地の都道府県・政令指定都市が実施している「こころの健康電話相談」等の公的な相談機関に接続します。
2.子どもの人権110番(法務省)(0120-007-110)
※平日8:30〜17:15まで
法務局・地方法務局の職員、または人権擁護委員が相談対応
3.子供のSOSの相談窓口(文部科学省)(0120-0-78310)
24時間対応の電話窓口
SNS相談窓口
電話では相談しづらい方には、LINEやオンラインチャットなどでの相談窓口(SNS相談)、法律、金融などの専門機関に相談されたい方向けの相談窓口
1.チャイルドライン(特定非営利活動法人(NPO法人) チャイルドライン支援センター)
- 18歳までの子供専用チャット窓口
2.特定非営利活動法人 あなたのいばしょ
- 24時間365日、年齢や性別を問わず、誰でも無料・匿名で利用できるチャット相談窓口
現在は電話やSNSでの相談窓口先が増えてきています。
24時間対応しているところもあり、辛くなって聞いてもらいたい時に気軽に相談出来るようになってきています。
また、電話占い相談等でも家庭のことや悩みの相談を受けてくれるところもあるので自分の合った形態で相談してみて下さい。
私はもう家庭を持ち子供も孫もいるいい大人ですが、毒親に育てられたことで今でも苦しんでいます。
一人で抱え込んで悩まずに、周りにSOSを出して助けを求めて下さい。あなたの人生はあなたのものですので、自分の意思で自己決定していって下さい。