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親が認知症と診断されたら免許更新は可能?免許返納は強制できる?

「親が80代になり、車の運転について心配をしています」

最近こういった声を聞くようになりました。

大きな事故としてメディアでも取り上げられていることが多くなったのも理由の一つでしょう。ニュースを見るたびに他人ごとではなくあなた自身の事のように親が心配になりませんか?

普段の会話はあまり変わりはないけど最近もの忘れが激しくなっている気がする。。。もの忘れが多いと老化によって認知症を思い浮かべてしまいます。

人間の体は老化によって少しずつ変化しています。確かに「もの忘れ」は脳の老化によるものです。しかし、認知症は老化によるもの忘れとは違います。

ここでの記事はあなたの親が認知症と診断されたらどうすれば良いかをご紹介します!

 

親が認知症と診断されても免許更新は可能?

そもそも認知症とはどういうものなのでしょうか?

認知症は何かの病気によって脳の神経細胞が壊れるために起こる症状や状態をいいます。老化によるもの忘れとは違います。

認知症が進行すると徐々に理解する力や判断する力がなくなり日常の生活に支障が出てくるようにもなります。

もしあなたの親が認知症と診断をされたら免許はどうなるのでしょうか。

都道府県の公安委員会によって免許停止・取り消しとなります。認知機能検査がある限り認知症であることを黙って免許の更新をすることができません。

 

親の免許を警察で強制返納してもらうことは可能?

免許返納の仕組みは運転免許証を持って指定されている場所にて返納手続き申請をします。

手続きをする指定場所は管轄地域の警察署もしくは各運転免許センターになります。必要な持ち物としては運転免許証となりますが地域によっては印鑑も必要となります。

受付時間は基本的に平日日中帯です。詳細はあなたの住んでいる地域の警察署ホームページにて確認しましょう。

免許の有効期間は道路交通法第92条の2の規定されています。

75歳以上の人は3年に一度の免許更新時に認知機能検査を受ける必要があります。検査によって認知症のおそれがあると判定された場合は医師による診断を受けることが求められます。

医師の診断結果によって認知症と診断されると免許取り消し、または免許停止の措置が取られます。警察の求めに応じず検査を受けなかった人も同様に免許取り消し、または免許停止になります。

検査機能があるものの警察が強制的に免許返納をすることはできません

認知機能検査に合格する限りは死ぬまで免許を保有することは可能ですが、あなたの親が高齢になればなるほど自主的に免許返納することをオススメします。

 

認知症の親が免許返納を拒否!心理と理由は?

厚生労働省の発表によると医師の診断による認知症患者数は65歳以上の高齢者7人に1人と言われております。

認知症の疑いがあって受診を拒否している高齢者が含まれていませんので割合はもっと多くなると思われます。

免許の自主返納は年々増加傾向で2015年には年間28万人を越えるまでになっています。たくさんの人が免許を自主返納しておりますがあなたの親はなぜ自主返納を拒むのでしょうか?

その理由をみていきましょう!

拒む理由としてはプライドが高く弱みをみせられないと考えています。人の指図を受けたくないと思っている高齢者ドライバーもたくさんいます。自分を客観的にみれず大丈夫だと思い込んでいるケースが大半です。

自動車事故はあなたの親自身の命を落とす危険もありますし人身事故を起こせば犯罪者となってしまいます。

 

親の説得に使える!高齢運転のリスクをデータで説明!

高齢者運転のリスクをデータでみていきましょう!あなたの親の説得材料に使えるデータをまとめました。

まずは高齢運転者の事故増加に関するデータになります。

出典:愛知県立大学 平成27年度 博士論文「高齢者講習データによる高齢者ドライバーの運転特性分析とドライバー主導型の安全運転支援の研究」

若い世代の事故が減っていて全体件数が減少傾向ですが高齢者世代は増加しています。人口に対する高齢者の割合増も影響していますが原因はそれだけではなさそうですね。

次にどのような事故が多いのかを年齢別にまとめている資料を見ていきます。

出典:愛知県立大学 平成27年度 博士論文「高齢者講習データによる高齢者ドライバーの運転特性分析とドライバー主導型の安全運転支援の研究」

高齢になればなるほど追突事故は少なくなっていますが出会い頭の事故が55歳以上から高齢になるにつれて割合が増加しています。

出合い頭は交差点で発生しますので物損事故とは違い必ず相手が存在する事故です。死亡事故や重傷に繋がる危険性があります。

出典:愛知県立大学 平成27年度 博士論文「高齢者講習データによる高齢者ドライバーの運転特性分析とドライバー主導型の安全運転支援の研究」

上記資料は年齢別の交通事故死者数を表しています。65歳以上が半数を占めています。高齢者は事故による死亡に繋がりやすいことが把握できます。

 

最後に、認知症による運転行動を見てみましょう。

出典:愛知県立大学 平成27年度 博士論文「高齢者講習データによる高齢者ドライバーの運転特性分析とドライバー主導型の安全運転支援の研究」

認知症は特有の症状を示す状態を総称する言葉です。認知症を引き起こす病気は上記のようにたくさんあります。

「アルツハイマー病(アルツハイマー型認知症)」、「前頭側頭型認知症(ピック病)」「(脳)血管性」などが有名です。

上記の「記憶」「普段の態度」から認知症の前ぶれ症状を把握できます。あなたの親自身に前ぶれ症状があれば医者に診てもらうことをオススメします。

普段の生活態度から大きな事故を引き起こす前に未然に防ぐことも可能です!運転行動を見れば一目瞭然ですが事故を引き起こす予兆がみられます。

死亡や重傷につながりやすい危険性がある高齢者運転は危険です。

 

認知症の親が車を運転しないようにするには?

認知症の親を運転させないようにするには非常に大変です。医者からの診断があったとしてもあなたの親には認知症という実感がないからです。

あなたの親が軽い物損事故を起こしても意外と平然としています。車がないと生活できないと昔から体に染み付いてしまっているのも原因です。あなたの言葉で「運転をやめてくれ」と伝えたところで聞く耳持たずのはずです。

車を触らせたくないし運転させないようにするにはあなた自身が防衛策を講じるしかありません。あなたの親の行動を細かく抑えるようにして近くの買い物もあなた自ら運転をしましょう!

あなたが出かける時も一緒に連れていくことで運転しなくても生活できる環境を少しずつ根気よく作っていきましょう!

極論ですが車生活での距離を遠ざけるためにも車を売ってしまうことも考えてみましょう!移動手段は何も車だけではなく、タクシーやバスもあります。

あなた自身があなたの親と共に行動することで物理的に車との距離を遠ざける対策をとってみてください。

 

免許返納を説得する伝え方

積極的にあなたの親の生活に関わり自主的な免許返納を促していきましょう!

ここでは4つの説得パターンを挙げますので、あなたの親に近い状況に応じて説得を試みてください。

運転に自信がある親を説得する場合

運転についてしっかり認めてあなたの親の気持ちに寄り添うことが必要です。交通事故の年齢比較や死亡事故データを積極的に使って説得を試みてください。

第三者であるお医者さんも巻き込んで根気よく説得を続けることがボディブローのように効いてきます。

 

生活と密着している場合

証明書の代わりになる自主返納後の「運転経歴証明書」が発行されることを伝えてください。「運転経歴証明書」は車の代わりとなる交通手段のタクシーやバスの割引があります。

割引特典が使えることのメリットを上手に説得させる材料として伝えていきましょう。あなた自身が親の代わりに運転をするようなサポートも大切です。

 

なんとなく拒否をしている場合

事故を起こしたこともなく起こしたとして大したことないという実感がないことが原因です。

医者との定期診断時にあなたが積極的に関わりあなたの親が診断結果を受け止める努力を一緒にしていきましょう。その上で高齢者運転のリスクデータを使って重大な事故に繋がることを根気よく伝えます。

 

車の運転が趣味の場合

高齢者運転のリスクデータを使って死亡事故を引き起こす凶器にもなり得ることを親を脅すぐらいの気持ちで伝えましょう。

事故を起こした時に取り調べで認知症が分かると保険会社からの補償が全額でない可能性があります。被害者への負い目や賠償の問題がかなり重くのしかかることを訴えていきましょう。

 

高齢の親が事故を起こしてしまった場合

万が一に事故を起こしてしまうケースはあります。

あなたの親が認知症でありながら事故を起こしてしまった場合は家族が監督責任を問われることがあります。あなたが事故の後処理やリスク、賠償金などをしっかりおさえておくことは必要です。

事故の後処理は道路交通法の第72条に定められています。以下に抜粋します。

運転者等は負傷者を救護する義務および事故について警察官・警察署へ報告する等の義務があり(第1項)、また、報告を受けた警察署の警察官は、報告をした運転者等に対して、現場を立ち去ってはいけない旨を命ずることができる(第2項)

事故を起こしたときには現場から立ち去ったり、運転を続けたり、自動車を持ち去ったりすると厳罰の対象となります。直ちに警察・消防へ連絡して、けが人の応急手当や危険の防止措置をします。

任意保険に加入していれば直ちに保険会社へ連絡しましょう。保険会社に事故の発生日時、場所および事故の概要を報告する必要があります。そのためメモを残しておくことも重要です。

交通事故によりケガを負うことになると人身事故として扱われます。治療費関係費、慰謝料、休業損害、逸失利益、物損の賠償金など様々な賠償金が発生します。賠償金の計算は自賠責基準、任意保険基準、弁護士基準によって算出します。

被害者・加害者ともに精神的な大きなダメージを受けますし金銭的な面も高額になります。何かおきた場合は日本全国に事務所を設置している以下の無料相談先を利用しましょう。

ー日本法規情報サポート事務局ー

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まとめ

今回の記事のポイントをまとめてみます。

  • 認知症と診断された場合、医者の診断次第で免許更新は可能だが自主返納が一番のオススメ
  • 認知症の症状や高齢者運転のリスクをしっかり抑えて親の説得材料に使いましょう
  • 認知症がある親が事故を起こした場合、家族の監督責任も問われ保険も全額補償されないことがある

認知症の親がいることは何も恥ずかしいことではありません。あなた自身から積極的にサポートすることが問題解決の一番の近道になります。

家族の監督責任も問われることがありますので、認知症である親だけの問題にせず家族の問題として一緒に問題解決を目指していきましょう。

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